防災の資格と仕事

防災エンジニアとは?何をする?防災エンジニアコースの内容は?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
防災エンジニア

近年、防災意識の高まりとともに、防災に関する仕事が注目を集めています。

被災した経験がある、災害ボランティアとして被災地で活動した、救助や被災者支援に奔走する人を見て感銘を受けたなど、動機は様々ですが、被災者や被災地の支援・復興に携わりたいと考える人が増えているのです。

防災に携わる仕事としては、消防士や自衛官が有名ですが、この記事で紹介するのは防災エンジニアです。

防災エンジニアは、インフラの修理・復旧などに携わって、災害発生時にライフラインを確保するために活躍する仕事です。

まだまだ社会的認知度が高いとは言えませんが、育成コースを創設する学校や、防災エンジニアリングを主な事業とする企業が出てきており、今後、注目される機会が増えていくでしょう。

この記事では、防災エンジニアの概要と活動、学校教育における防災エンジニアコースの内容について紹介します。

防災エンジニアとは

防災エンジニアとは、災害発生時に、インフラ(電気、ガス、水道、通信など)設備やシステムを守る方法を提案する仕事です。

災害発生時、避難行動、避難生活、支援・救助活動にとって重要なのが、電気、ガス、水道、通信など、いわゆる「ライフライン」の復旧です。

しかし、ライフラインを復旧させるには、専門的な技術が必要なことがほとんどですし、たとえエンジニアであっても、平時にそうした業務に携わっていなければ、災害発生時に急に復旧作業を行うことは困難です。

これまで、インフラの復旧に携わることができる人材が足りずにライフラインがなかなか確保できず、結果として、適切な避難行動や支援・救助活動が遅れたり、避難生活に深刻な影響が出たりするという問題が頻発していました。

また、社内設備や事業の根幹となるシステムが大破し、事業を続けられなくなった企業も少なくありませんでした。

防災エンジニアは、こうした問題を教訓にして、災害発生時にインフラなどを守る知識と技術を持つ人材が必要だという意識が高まる中で登場しました。

現時点では、消防士や自衛官のように明確な職業ではなく、「災害発生時に専門技術を発揮できる人材」として位置づけられることが多くなっています。

防災エンジニアの活動

防災エンジニアの活動は、災害被害の状況や程度、被災者のニーズによって流動的です。

  • インフラ設備やシステムの修理・復旧
  • 太陽光発電や発電機を利用した電源の確保
  • 無線機器を利用した通信の確保
  • ITの修理復旧計画の企画・立案・実行
  • IT関係の災害ボランティアのとりまとめ

企業においては、災害発生時の会社の設備やシステムの修理・復旧を行うこともあり、専門の育成コースを創設する企業が増えています。

これらは防災エンジニアの活動の一部であり、今後、防災エンジニアが注目されるにつれて、その活動内容がたくさん議論され、活動の幅も広がっていくと予想されています。

防災エンジニアコース

新潟県柏崎市にある新潟県立柏崎工業高等学校は、2007年7月16日に発生した新潟県中越沖地震(マグニチュード6.8)をきっかけに、2年後の2009年度から、電気科コースの一つとして「防災エンジニアコース」を創設しました。

防災エンジニアを意識したカリキュラムを持つ学校は増えていますが、「防災エンジニアコース」という名前で開設しているのは、2017年2月時点では、新潟県立柏崎工業高等学校だけです。

新潟県立柏崎工業高等学校の防災エンジニアコースの内容

防災エンジニアコースは電気科コースの一つなので、電気の基礎知識や電力・電子技術、通信に関する授業が中心です。

しかし、災害発生時に、インフラなどを守る即戦力になるという視点から、電気工事施工や通信機器の設置に関する知識・技術を高いレベルで身につけられるカリキュラムになっています。

具体的には、太陽電池や発電機を使った電源確保や、無線機器を使った通信確保などの知識・技術を学習し、実際の機器を使った実習によって定着させていくことができます。

また、総合学習やホームルームの時間を利用して自然災害について学習したり、実際に被災地のボランティア活動に参加したりすることで、「エンジニアとしての知識や技術」だけでなく、災害発生時にリーダーシップを発揮できる人材を育成することを目指しています。

防災エンジニアコースの可能性

防災意識の高まりや、今後、現在以上にインフラのIT化が進むことを踏まえ、防災エンジニアの需要は増加していくと予想されています。

それに伴い、防災エンジニアコースを創設する学校も徐々に増えていくでしょう。

また、災害発生時に社内設備やシステムを保守する専門家を養成する企業や、防災エンジニアリングをビジネスにする企業も増えていくことが予想されています。

平時の防災というと、防災訓練への参加や防災グッズの備えが思い浮かぶ人が多いはずですが、今後は、災害発生時のインフラ整備の基礎を学ぶようなイベントが登場する可能性もあり得ますし、実際にイベントが開催されれば、防災エンジニアの活躍の場の一つとなるでしょう。

参考:新潟県立柏崎工業高等学校のホームページ