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海抜ゼロメートル地帯とは?東京や大阪、日本の三大湾の0メートル地帯は?

海抜ゼロメートル地帯

ニュースなどで海抜ゼロメートル地帯という単語を見聞きすることがありますが、正しい意味を知っていますか。

日本では都市部などに海抜ゼロメートル地帯が多く、災害発生時の水害被害を最小限に抑えるための対策が行政によって講じられていますが、防災の観点からは、個人もリスクを知って備えるべきです。

この記事では、海抜ゼロメートル地帯の概要、日本における海抜ゼロメートル地帯、水害対策について解説します。

海抜ゼロメートル地帯とは

海抜ゼロメートル地帯とは、海岸付近における地表の標高が、満潮時の平均海水面よりも低い土地です。

平たく言えば「地面の高さが海水面の高さよりも低い土地」です。

台風、集中豪雨、高潮、津波などに伴う水害のおそれが他の土地より高いため、海抜ゼロメートル地帯の多くでは、堤防や水門などの水防設備が整備されています。

MEMO

標高:平均海水面(一定地域の高さの基準として定められる海水面の平均的な高さ)からの高さ

海抜ゼロメートル地帯ができる原因

海抜ゼロメートル地帯ができる原因には、地殻変動によって海岸から遠い陸地が沈下した、埋め立てや干拓によって低地が拡大した、地下水の汲み上げ過ぎによる地盤沈下などがあります。

地下水の過剰な汲み上げの理由としては、天然ガス採取のためなどが挙げられます。

海抜ゼロメートル地帯は世界中に点在していますが、いずれも上記の原因でできたと考えられています。

日本における海抜ゼロメートル地帯

島国の日本では、全国各地に海抜ゼロメートル地帯があります。

都市部の海抜ゼロメートル地帯

都市部の海抜ゼロメートル地帯について、東京都、愛知県、大阪府の例を挙げておきます。

東京都では、隅田川、荒川、江戸川の間にある地域(江東区、江戸川区、墨田区、葛飾区など)や足立区の南東部に海抜ゼロメートル地帯が広がっています。

愛知県では、愛知県名古屋市南区、港区、中村区、中川区、津島市、愛西市、あま市、弥冨市、海部市に海抜ゼロメートル地帯があります。

大阪府では、大阪市港区、北区、浪速区、城東区、大正区、西成区、西淀川区などに海抜ゼロメートル地帯が広がり、寝屋川市付近にも淀川の海面よりも低い地域があります。

日本では、国民の約80%が海抜0メートルから100メートルの地域に住んでいる上、東京や大阪などの大都市にも海抜ゼロメートル地帯が広がっており、諸外国の都市と比較して水害などのリスクが高いと言えます。

そのため、中央防災会議でも、大規模水害発生時の被害を最小限に抑える対策を講じるため、「大規模水害対策に関する専門調査会」が設置され、大規模水害が予想された場合の各機関の緊急的な体制・行動のあり方などが検討されました。

MEMO
  • 中央防災会議:災害対策基本法に基づいて、内閣総理大臣や国務大臣などが参加して防災関連の重要政策を取り扱う、日本で最高位の防災会議

日本の三大湾(東京湾、大阪湾、伊勢湾)の海抜ゼロメートル地帯

日本の三大湾である東京湾、大阪湾、伊勢湾周辺も、埋め立てや干拓が繰り返されたことで沿岸部に海抜ゼロメートル地帯ができています。

特に、伊勢湾周辺地域では台風や大雨に伴う水害被害が多く、1959年9月26日に潮岬に上陸し、紀伊半島から東海地方を中心に猛威を振るった伊勢湾台風は、犠牲者5098人、負傷者38921人という甚大な被害が発生しました。

愛知県名古屋市の海抜ゼロメートル地帯では約1500~2000人が死亡したとされています。

日本における主な海抜ゼロメートル地帯

都道府県 地域
青森県 青森平野
宮城県 気仙沼
千葉県 九十九里浜
千葉県 関東平野
東京都
神奈川県
新潟県 越後平野
愛知県 豊橋平野
岡崎平野
濃尾平野
岐阜県 濃尾平野
三重県
大阪府 大阪平野
兵庫県
広島県 広島平野
高知県 高知平野
福岡県 筑紫平野
佐賀県 佐賀平野
熊本県 熊本平野

 

海抜ゼロメートル地帯における水害対策

海抜ゼロメートル地帯は、台風や高潮などに伴う水害が発生するリスクが高い上、浸水被害や冠水被害を受けると、標高が海水面よりも低いため自然には水が引きにくく、復旧や復興に時間を要して被害が拡大します。

そのため、災害が発生する前の備えが重要になります。

海抜ゼロメートル地帯の水害対策としては、海岸や河岸に堤防を建設すること、揚排水ポンプの設置、水害発生が予想された場合の住民の避難や救助体制の仕組み作りなど、ハード面とソフト面の両方の対策が求められます。

個人としては、住んでいる地域が海抜ゼロメートル地帯であって水害のリスクが高いことを理解し、災害発生時の避難場所や避難経路の確保、防災グッズの備えなどを徹底しておくことが大切です。

避難場所には指定避難所と指定緊急避難場所の違いがあり、後者は災害ごとに異なる場所が指定されていることもあるため、事前に水害発生時の避難場所を確認しておく必要があります。

浸水対策用の防災グッズとしては、土のうや止水版などがあります。

浸水に備えるための防災グッズについては、別の記事で詳しく解説しています。

住宅の浸水対策(水害対策)!止水板や土のうなど家庭でできる浸水対策!

【参考】