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地域防災計画とは?見直しや修正の頻度と理由は?

地域防災計画 マニュアル

日本の防災計画は、災害対策基本法の規定に基づいて体系化されています。

最上位の防災関連計画は、内閣総理大臣などで組織される中央防災会議で策定される防災基本計画で、それに基づいて防災業務計画や地域防災計画が策定されます。

この記事では、地域防災計画の概要、具体的な内容、計画の見直しや修正の頻度と理由について解説します。

地域防災計画とは

地域防災計画とは、地方自治体(各都道府県や市町村など)が管轄地域の特性や過去の災害発生状況などを踏まえて作成する防災計画です。

各地方自治体の長が防災会議などに諮り、計画防災、災害発生時の応急対策、復旧作業などのために処理すべき事務や業務について具体的に取り決めます。

なお、都道府県が策定するものを都道府県地域防災計画、市町村が策定するものを市町村地域防災計画と呼びます。

地域防災計画の根拠条文

地域防災計画は、災害対策基本法第40条に国が策定する防災基本計画に基づいて作成することが規定されています。

都道府県防災会議は、防災基本計画に基づき、当該都道府県の地域に係る都道府県地域防災計画を作成し、及び毎年都道府県地域防災計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを修正しなければならない。この場合において、当該都道府県地域防災計画は、防災業務計画に抵触するものであつてはならない。

(災害対策基本法第40条)

災害対策基本法とは

災害対策基本法とは、日本国民の生命・身体・財産を災害から保護し、社会秩序の維持や公共の福祉を確保することを目的として、防災計画の作成など必要な災害対策の基本を規定した法律です。

1959年の伊勢湾台風上陸時に防災行政が十分に機能せず被害が拡大したことを教訓として、災害対策全体を体系化するとともに、総合的かつ計画的な防災行政の整備・推進を図るために制定されました。

災害対策基本法については、別の記事で詳しく解説しています。

災害対策基本法とは?特徴の解説と改正が繰り返される理由

防災関連計画の体系

災害対策基本法では、各行政機関が一体となって総合的な防災体制を整備して推進することが防災効果を高めるという考えに基づいて、防災関連計画の体系化が図られています。

防災関連計画 体系

出典:防災計画:防災情報のページ‐内閣府

内閣総理大臣や閣僚などで組織される中央防災会議において、最上位の防災計画である「防災基本計画」が策定され、それに基づいて指定行政機関や中央省庁が防災業務計画を、地方自治体が地域防災計画を策定します。

防災基本計画は、自然災害や事故災害が発生した場合の災害対策の順序に沿って記載されていますが、あくまで一般的な記載に留まります。

そのため、防災基本計画に基づきながら、過去の災害や地域特性を踏まえて各地域で地域防災計画が策定される仕組みになっているのです。

MEMO

中央防災会議:内閣総理大臣や閣僚などが参加し、以下のような役割を担う防災の重要政策に関する会議

  • 防災基本計画の作成及び実施推進
  • 非常災害時の緊急措置に関する計画の作成及び実施推進
  • 内閣総理大臣及び防災担当大臣の諮問に応じ、防災に関する重要事項の審議(防災の基本方針、防災に関する施策の総合調整、災害緊急事態の布告など)
  • 防災に関する重要事項に関し、内閣総理大臣及び防災担当大臣へ意見具申

防災業務計画:指定行政機関の長や指定公共機関が、防災基本計画に基づいて、自らの事務に関連して作成する防災対策計画

中央防災会議については、別の記事で詳しく解説しています。

中央防災会議とは?報告書はホームページ?防災気象警報5段階を検討?

地域防災計画の内容

地域防災計画の内容は、防災基本計画と同じく災害ごとに分類され、各分類が災害予防・事前対策、災害応急対策、災害復旧・復興対策の順序で構成されるのが一般的です。

例えば、東京都の地域防災計画は、震災編、風水害編、火山編、大規模事故編、原子力災害編が作成されています。

一方で、大阪府の地域防災計画は、災害ごとの分類ではなく、災害予防対策、災害応急対策、付編1、付編2、付編3、事故等災害応急対策、災害復旧・復興対策という構成で、各編の中で災害ごとの対策が項立てされています。

ただし、記載内容は地域の実情に即した災害予防・事前対策、災害応急対策、災害復旧・復興対策であることに変わりありません。

BCPや防災マニュアルの策定

地域防災計画は、地域における防災計画が網羅的に記載されており、大阪府で370ページ、東京都は各災害ごとに数百ページあり、合計すると1000ページを軽く超えます。

また、防災に関する知識がないと内容を理解するのに時間がかかりますし、抽象的または曖昧に記載されている部分もあり、読み込んでも災害発生時における迅速かつ的確な行動には必ずしもつながりません。

地域防災計画は地域防災の基本方針などを示したものであり、その内容に基づいて、企業や行政などが具体的な災害対策を盛り込んでBCP(事業継続計画)や防災マニュアルが作成されます。

MEMO
  • BCP(事業継続計画):企業が大規模災害などに遭遇した場合に、災害による損害を最小限に抑えるとともに中核事業の継続や早期復旧ができるように、平時における備えや災害発生時における事業継続法を取り決めたもの
  • 防災マニュアル:地域防災計画に基づいて作成される、災害への備え、災害発生時の対応、避難所生活の心得などの防災に関する内容を具体的に記載したもの(個人や行政職員などが実際に読んで、記載内容のとおり行動するためのもの)

住んでいる地域の地域防災計画を見るには

住んでいる地域の自治体の地域防災計画を確認したい場合は、「住んでいる地域(都道府県または市町村) 地域防災計画」とネット検索すれば、住んでいる地域の自治体が作成した計画をダウンロードできます。

また、消防庁が作成・運営する地域防災計画データベースから、全国各地の地域防災計画をダウンロードすることも可能です。

地域防災計画の見直しや修正

地域防災計画は、頻繁に見直しや修正が行われています。

地域防災計画の見直しや修正の理由として一番多いのは、防災基本計画が修正が修正または改正されることです。

防災基本計画は、都市化・高齢化・国際化・情報化など社会情勢の変化を踏め、常に的確かつ適切な対応ができるような内容となるよう努める必要があり、随時、修正・改正されています。

既に解説したとおり、日本の防災関連計画は階層構造になっており、地域防災計画は最上位の防災計画である防災基本計画に基づいて作成されます。

したがって、防災基本計画が修正・改正された場合、矛盾が生じないように地域防災計画の見直し・修正をする必要があります。

近年は、年に2度のペースで防災基本計画が修正・改正されており、地域防災計画も見直しや修正をすることが求められています。

また、どれだけ緻密に地域防災計画を作成しても、災害発生時には予期しないまたは想定を超える様々な問題が発生します。

そこで、災害収束後に防災行政を振り返り、今後の災害に備えて計画をより良いものへの変えていく修正も行われています。

防災訓練など防災関連行事や会議の中で計画の不備不足が見つかって見直されることもあります。

しかし、防災関連計画やそれに伴う事業には時間・手間・金銭がかかりますが、災害対策基本法では防災の「実施責任者負担の原則」が規定されているため、資金繰りなどの問題で見直しや修正ができていない自治体も少なくありません。

【参考】