災害を知って、備えて、生き抜く!

中央防災会議とは?報告書はホームページ?防災気象警報5段階を検討?

中央防災会議

日本の防災に関する重要な事項は、内閣府や国務大臣などで構成される中央防災会議で決定され、決定事項に基づいて地方自治体や企業などが具体的な防災対策を作成して実践します。

そのため、防災に取り組む上では、中央防災会議で取り扱われた内容を把握し、日本の防災行政の動向を把握しておくことが大切になります。

この記事では、中央防災会議の概要、組織、事務(役割)、取り扱われた内容について解説します。

中央防災会議とは

中央防災会議とは、災害対策基本法に基づいて設置される、日本の防災に関する重要政策を取り扱う会議です。

内閣府に、中央防災会議を置く。

(災害対策基本法第11条第1項)

日本の防災対策の基本方針である「防災基本計画」の作成をはじめ、日本の防災に関する重要事項が決定され、決定事項に基づいて指定公共機関、指定行政機関、地方自治体などが具体的な防災対策を講じます。

例えば、中央防災会議で作成された防災基本計画に基づいて、指定公共機関などが防災業務計画を作成し、地方自治体が地方防災計画を作成します。

MEMO
  • 防災基本計画:中央防災会議が、災害対策基本法に基づいて作成する、政府の防災対策に関する基本的な計画
  • 指定行政機関:日本の行政機関
  • 指定公共機関:全ての国立研究開発法人、日本銀行、日本赤十字社、電力・ガス・石油会社、日本放送協会、日本電信電話、JRグループ全社、高速道路会社、携帯電話会社など

中央中央会議の報告書(議題など)

中央防災会議の議事次第、議題、配布資料などは、「中央防災会議:防災情報のページ‐内閣府」で確認することができます。

災害対策基本法とは

災害対策基本法とは、日本国民の生命・身体・財産を災害から保護して、社会秩序維持と公共の福祉の確保に資することを目的として定められた法律です。

1959年9月26日に発生した伊勢湾台風によって甚大な被害が生じたことで、当時の防災行政の不備不足を改め、災害対策全体の体系化と総合的・計画的な防災行政の整備・推進を目指して作成されました。

災害対策基本法では、以下のような内容が規定されています。

  • 防災に関する各機関の責務を明確化
  • 総合的防災体制の整備・推進
  • 性格的防災計画の整備・推進
  • 災害対策の推進
  • 実施責任者負担の原則
  • 災害緊急事態への対応

災害対策基本法の特徴については、別の記事で詳しく解説しています。

法律なので難しいところはありますが、日本の防災対策の基本を知ることができるため、企業や官公庁の防災担当者にはぜひ確認しておいてもらいたい内容です。

災害対策基本法とは?特徴の解説と改正が繰り返される理由

中央防災会議の組織

中央防災会議は、会長及び委員で組織することが、災害対策基本法第12条に規定されています。

会長(第2項) 内閣総理大臣
委員(第5項)

防災担当大臣

その他の国務大臣(全国務大臣)

指定公共機関の代表者(内閣総理大臣が任命)

学識経験のある者

※いずれも内閣総理大臣が任命

また、幹事(会長は内閣府大臣政務官)と幹事会、専門委員()と専門調査会を置く(議決により設置)こととされています。

作業部会(ワーキンググループ)

中央防災会議には、各種作業部会(ワーキンググループ)が設置されています。

部会名 目的
南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ

南海トラフ巨大地震による人的・物的被害や経済被害などの推計・被害シナリオを検討

南海トラフ巨大地震対策の方向性などの検討

首都直下地震対策検討ワーキンググループ 首都直下地震(相模トラフで発生する大規模地震も対象)について、東日本大震災の教訓を踏まえた対策を検討
災害対策標準化推進ワーキンググループ
災害対策標準化ガイドラインの素案を策定
防災関連調査研究の戦略的推進ワーキンググループ

調査研究に関する情報の集約・整理・共有化

防災対策ニーズと調査研究のマッチング

フォローアップの実施

総合的な土砂災害対策検討ワーキンググループ

土砂災害に対する脆弱性を検証するとともに、人命の保護や重要な機能の維持のための方策の強化に向けた総合的な対応策を検討

火山防災対策推進ワーキンググループ

今後の火山防災対策の一層の推進を図るための、具体的な対応策の検討

水害時の避難・応急対策検討ワーキンググループ
人命保護や重要機能の維持のために必要な避難・応急対策の強化を検討

 

洪水・高潮氾濫からの大規模・広域避難検討ワーキンググループ
 
首都圏などにおける、洪水や高潮氾濫からの大規模かつ広域的な避難の在り方などを検討
 
熊本地震を踏まえた応急対策・生活支援策検討ワーキンググループ

 全国における地震災害への対応策向上方策を検討

南海トラフ沿いの地震観測・評価に基づく防災対応検討ワーキンググループ

地震予測の現状も踏まえ、南海トラフ沿いの地震観測や観測結果の評価体制、観測・評価に基づく地震防災対応のあり方について検討

南海トラフ沿いの異常な現象への防災対応検討ワーキンググループ

南海トラフ沿いで異常な現象が観測された場合の防災対応の在り方や、 防災対応を実行するに当たっての社会的な仕組みなどについて検討

平成30年7月豪雨による水害・土砂災害からの避難に関するワーキンググループ
激甚化・頻発化する豪雨災害に対し、避難対策の強化を検討

中央防災会議の事務(役割)

中央防災会議の事務は、災害対策基本法第11条第2項に規定されています。

  • 防災基本計画の作成・実施の推進
  • 非常災害に際して緊急措置に関する計画を作成・実施の推進
  • 内閣総理大臣の諮問に応じての、防災に関する重要事項の審議
  • 防災に関する重要事項について、内閣総理大臣へ意見具申
  • 防災担当大臣が掌理する事務について行う諮問に応じての、防災に関する重要事項の審議
  • 防災に関する重要事項(防災担当大臣が掌理する事務)について、防災担当大臣へ意見具申
  • その他、法令の規定により、その権限に属する事務を行うこと

また、同上第4項では、以下の事項について、内閣総理大臣が中央防災会議へ諮問しなければならないと規定しています。

  • 防災の基本方針
  • 防災に関する施策の総合調整のうち重要なもの
  • 非常災害に際して、一時的に必要とする緊急措置の大綱
  • 災害緊急事態の布告
  • その他必要と認める防災に関する重要事項
 

中央防災会議で取り扱われた事項

近年、中央防災会議で取り扱われた主な事項について触れておきます。

年度 取り扱い事項
2015

防災基本計画の修正(土砂災害、火山災害、複合災害の対策強化、最近の災害対応の教訓を踏まえた運用改善、実施主体の明確化など)

 

2016

活動火山対策特別措置法について(活動火山対策の総合的な推進に関する基本的な指針(案)、火山災害警戒地域の指定(案))

防災基本計画の修正(活火山法の一部改正等の制度改正を踏まえた防災対策の強化、最近の災害対応の教訓を踏まえた運用改善など)

2017

防災基本計画の修正(地方自治体への支援充実、被災者の生活環境改善、応急的な住まいの確保や生活復興支援、物資輸送の円滑化、ICTの利用、自助・共助の推進、広域大規模災害を想定した備えなど)

平成29年度総合防災訓練大綱について

2018

防災基本計画の修正(迅速な救助の実施、被害最小化や支援強化、「逃げ遅れ0」の実現など)

災害救助法の一部改正について

防災気象情報の警戒レベルを5段階に

2018年12月12日、中央防災会議の作業部会(平成30年7月豪雨による水害・土砂災害からの避難に関するワーキンググループ)は、洪水や土砂災害発生時に発表する防災気象情報を5段階の警戒レベルで区分し、レベルごとに住民が採るべき行動を示した報告書案を大筋了承しています。

2018年7月の豪雨を踏まえ、災害時に提供される各種情報について、発表者(気象庁)の切迫感や危機感を受け手(住民など)に「正しく」かつ「分かりやすく」伝え、迅速な避難行動を促すための変更です。

今後、具体的な運用方法などの検討が開始される予定です。

なお、現行の防災気象情報は、以下のとおりです。

防災気象情報(現行)

出典:気象庁|防災気象情報とその効果的な利用

警戒レベル 行政による避難・防災情報 住民に求める行動
5 災害の発生情報 災害が発生しており、命を守るために最善の行動をとる
4 避難勧告・避難指示 速やかな立ち退き避難や屋内退避など直ちに命を守る行動をとる
3 避難準備・高齢者等避難開始

高齢者等は立ち退き避難

その他は立ち退き避難準備

2 注意報 自らの避難行動の確認(避難場所や経路など)
1 数日中の警戒級の大雨が降るとの予報 最新の気象情報に注意する

※「平成30年7月豪雨を踏まえた水害・土砂災害からの避難のあり方について(報告)」を参考に防災ノートが作成

MEMO

防災気象情報:気象庁が発表する、大雨、暴風、台風、地震、津波、火山などに関する情報

防災期初警報のうち気象注意報・気象警報・特別警報については、別の記事で詳しく解説しています。

気象警報・気象注意報の種類と発表基準、特別警報との違いは?

【参考】