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断層・活断層とは?縦ずれ断層と横ずれ断層の違いは?

地震に関する報道では、「断層」や「活断層」という単語がよく用いられます。

また、2019年1月3日に発生した熊本の地震では、気象庁は「横ずれ断層型」の地震だと見ていると発表されましたが、「横ずれ断層」や「縦ずれ断層」、「正断層」、「逆断層」などの単語も頻出です。

この記事では、断層・活断層の意味、縦ずれ断層(正断層と逆断層)と横ずれ断層(右ずれ断層と左ずれ断層)の違いについて解説します。

断層とは

断層とは、元々はつながっていた地層に力が加わって割れ、割れた面を境にずれ動いて食い違っている構造のことです。

食い違いが生じた境界面を断層面、断層が動く現象を断層運動といいます。

断層の形成過程

プレートテクトニクス説では、地球の内部は何層もの階層構造になっていると考えられており、中心部から内核、外核、下部マントル、上部マントル、一番外側を地殻と呼ばれます。

天体の中心部分の構造
マントル

天体の内部構造のうち、核の外側の層

地殻 天体の表層部、マントルの外側にある個体部分

地殻を形成する岩盤は、その下を流れるマントルの対流によって生じるプレート(地表の表面を覆う、地殻とその付近の上部マントルで構成される岩盤)同士の衝突やすれ違いによって圧縮されたり、引っ張られたり、ずれたりします。

こうした動きに伴う巨大な力が加わると、岩盤が徐々に変形し、小さな割れ目が多数生じ、耐えられなくなると割れてます。

そして、さらに力が加わることで別の場所でも割れ目が多数形成され、断層が形成されます。

また、火山活動によるマグマの移動などによっても、同じような現象が生じるとされています。

地震と断層運動

地震(断層型)とは、断層を境界として、断層の両側の岩盤が急激にずれ動く現象、または、岩盤が急激にずれ動くことで生じる地面の振動です。

前者は断層運動と同じ意味で、後者は地震動とも呼ばれます。

断層に加えられる様々な力によって生じた歪みのエネルギーが、急激な断層運動によって一気に放出され、大きな被害をもたらします。

通常、地震の原因となった断層を地表で観察することはできませんが、震源が浅く、マグニチュード7を超える大地震が発生すると、地下断層の一部が地表に現れることがあります。

MEMO
  • 震源:地震が発生した場所(最初に断層が破壊された場所)
  • マグニチュード:地震そのものの規模(強さ)

活断層とは

活断層とは、断層のうち、最近の地質時代に活動を繰り返した形跡があり、将来も活動すると考えられる断層のことです。

最近の地質時代の範囲については研究者によって意見が分かれており、第4紀(約200万年前から現在)に活動した形跡のある断層と定義されることもあれば、数十年前から現在に活動した形跡のある断層と定義されることもあります。

活断層にも活発なものとそうでないものがありますが、活発な活断層は、繰り返しずれ動くことでずれの範囲が大きくなるため、地表でも低地と山地の境界を形成することがあります。

活断層の特徴

活断層には、以下のような特徴が認められます。

  • 一定期間をおいて活動を繰り返す(活動間隔は長い)
  • ずれ動く速さは断層による差が大きい
  • ずれ動く向きは一定
  • 断層が長いほど大規模な地震を発生させる

活断層の確認方法

活断層かそうでないかは、原則として、地形や地層に断層が繰り返しずれ動いた形跡が残されているか否かで判断されます。

古い時代に形成された地層ほど、地震を何度も経験して大きくずれ動いているため、その地層が新しい時代に形成された地形や地層と比較して大きくずれている場合、繰り返しずれ動いた形跡ととらえられます。

そして、繰り返しずれ動いた活断層は、将来もずれ動いて自信を発生させると考えられるのです。

活断層の数

日本国内には、陸地やその周囲を取り囲む海の底に約2000の活断層があるとされています。

縦ずれ断層(正断層と逆断層)と横ずれ断層の違い

断層は、ずれ動く方向によって縦ずれ断層と横ずれ断層に分類され、縦ずれ断層はさらに正断層と逆断層に、横ずれ断層は右横ずれ断層と左横ずれ断層に分類されます。

縦ずれ断層 横ずれ断層

出典:文部科学省ホームページ(https://www.jishin.go.jp/resource/terms/tm_fault/)

縦ずれ断層

縦ずれ断層とは、断層面を境界として、両側の岩盤が上下(縦方向)にずれ動く断層です。

断層面を挟んで両側にある岩盤のうち、上側にある(もう一方の岩盤に乗り上げている)岩盤を上盤、下側にある(乗り上げられている)岩盤を下盤と呼びます。

縦ずれ断層は、上盤と下盤の動きによって正断層と逆断層に分類されます。

正断層

水平方向に引っ張られる力(引張応力)がかかり、上盤側がずり下がる

例:九州中部の火山地帯(別府ー島原地溝帯)など

逆断層

水平方向に圧縮される力(圧縮応力)がかかり、上盤側がずり上がる

例:飛騨山脈、木曽山脈、奥羽山脈など

日本では、逆断層が多くなっています。

横ずれ断層

横ずれ断層とは、断層面を境界として、両側の岩盤が左右(横方向)にずれ動く断層です。

横ずれ断層は、断層の手前から見て(断層線に向かって)奥の岩盤が左右どちらにずれ動いたかによって、「右ずれ断層」と「左ずれ断層」に分類されます。

右ずれ断層 奥の岩盤が相対的に右へずれ動く
左ずれ断層 奥の岩盤が相対的に左へずれ動く

水平方向に圧縮される力(圧縮応力)が働くことで発生しやすい断層です。

縦ずれ断層と横ずれ断層は区別しにくい

地震学上、断層のずれ動く方向よって縦ずれ断層と横ずれ断層に分類されますが、実際の断層の多くは斜めにずれ動いており、縦ずれなのか横ずれなのか判断しにくいことが多いものです。

そのため、縦ずれか横ずれかが明確であれば、「縦ずれ断層型地震」や「横ずれ断層型地震」と発表されますが、はっきりしない場合は発表されないことがあります。

【参考】