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災害時の発達障害児・発達障害者の支援方法は?

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災害 発達障害

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災害が発生すると、多くの人が避難所での生活を余儀なくされ、先行きの見えない不安な日々を送ることになります。

被災者の中には発達障害児や発達障害者もおり、環境の変化への対応が困難であるなど発達障害の特徴により、より強い不安や緊張を強いられて生活していることがあります。

この記事では、災害発生時における発達障害児・発達障害者の支援について紹介します。

発達障害とは

発達障害とは、自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群などその他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害(AD/HD)などの脳機能の障害で、通常は低年齢のうちに発現する障害のことです。

また、発達障害児・発達障害者(以下「発達障害の人」という。)とは、発達障害がある人で、発達障害や社会的な障壁によって日常生活や社会生活に制限を受けている人のことです。

発達障害は、何かとひとまとめにされて考えられがちですが、発達障害の症状は一人ひとり大きく異なり、症状に応じた個別的な対応が求められます。

発達障害の人の障害特性(災害時に影響が大きい特性)

発達障害の人の障害特性(災害時に影響が大きい特性)の主なものは以下のとおりです。

  • 日常生活の変化への対応が苦手
  • 感覚刺激に対して過敏または鈍感
  • 話し言葉を聴き取るのが苦手
  • 困りごとを相談するのが苦手
  • 見通しの立たないことに強い不安を示す
  • 危険かどうかの判断がつきにくい

発達障害の人が災害時に困ること

発達障害の人は、災害という非日常に強い不安を示します。

災害による学校や会社の休み、テレビやラジオの番組変更、停電、断水などいつもと違う現象に強い不安を示し、うまく適応できずに奇妙な行動をしたり、周囲からの働きかけに対して強い抵抗を示したりすることがあります。

また、感覚過敏の影響によって避難所など大勢の人がいる環境に強い苦痛を感じたり、感覚が鈍感であることにより治療が必要な怪我をしても周囲に助けを求めなかったりします。

話し言葉の聞き取りにくいため聴覚情報を正しく受信できず不適切な行動をする、困りごとを相談できず状況を打開できないままになることも珍しくありません。

危険かどうかの判断がつかず、危険区域に足を踏み入れたり、医療機器に無断で触れたりして命の危険にさらされることもあります。

災害時の発達障害児・発達障害者の支援

災害時の発達障害の人の基本的な支援方法は、以下のとおりです。

発達障害の人にしてほしいことを、穏やかな表情や口調で話をする

発達障害の人は、変化に対する対応が苦手です。

表面上は落ち着いているように見えても内心は強い不安でパニックに陥っていることが多く、不安を抑えきれず奇妙な行動に及んだり、支援を拒否してしまったりすることも珍しいことではありません。

そのため、まずは不安を和らげることが大切です。

発達障害の人がどのような状態であっても、決して声を荒げたり怒ったりせず、穏やかな表情と口調で話すようにしましょう。

何らかの指示を出したり、変更事項を伝えたりするときも同じです。

具体的に伝える

発達障害の人に何かを伝えるときは、内容を具体的に説明する必要があります。

例えば、危険な場所を教えるために「向こうへ行ったらダメ。」、物資の提供が終わったことを伝えるために「ここには何もない。」などと説明しても、発達障害の人はうまく理解することができません。

「このブルーシートの上に座って待っていてください。」、「支援物資は○○避難所の玄関前で受け取ることができます。」などと具体的に説明しなければなりません。

スケジュールや場所の変更についても、変更されたことだけを伝えるのではなく、「支援物資の提供の予定は、本日から明日の午前10時に変更された。」、「仮説住宅の申込み場所は、◯◯市役所仮庁舎の2階の△△課で行っています。」などと伝えてあげる必要があります。

視覚的に伝える

発達障害の人に指示を出したり、何かを伝えたりする時に効果を発揮するのが視覚的な情報です。

分かりやすい文字や絵、実物など、発達障害の人が目に見える情報を提供しながら説明することにより、言葉などの聴覚情報のみで説明するよりも伝わりやすくなります。

例えば、配給についてアナウンスが流れても、場所や日時を正確に把握できないことがあるため、アナウンスとともに掲示板に目立つように張り出すなどの工夫が求められます。

また、視覚的な情報により不適切な行動を制限することもできます。

例えば、触ってはいけない物や行ってはいけない場所には、赤く大きいバツ印をつけておくなどの方法があります。

地方自治体によっては、発達障害の人や聴覚障害の人の支援用にヌーボード(持ち運びできるサイズのホワイトボード)を準備しているところもあります。

当面の見通しを伝える

発達障害の人は、見通しの立たない状況に置かれることに強い不安を感じます。

そのため、当面の見通しについて伝えてあげることが大切です。

伝える際は、すでに書いたとおり具体的かつ視覚的に行う必要があります。

曖昧な情報を伝えたり、言葉だけで伝えたりすると、かえって混乱したり情報を正しく受け取れなかったりするため、注意が必要です。

環境面に配慮する

感覚過敏の症状がある場合、避難所など人が大勢いる環境で過ごすことは耐えがたい苦痛となります。

私たちでも避難所生活には強いストレスを感じますが、発達障害の人は、生活することが困難なくらいのストレス、例えば、耐え切れずに避難所を飛び出してしまう程度のストレスを感じていることが多いものです。

部屋の角のスペース、別室、テント、厚めの間仕切りなど、できる限りパーソナルスペースを確保できる環境を提供する工夫が求められます。

訴えがなくても健康状態をチェックする

発達障害の人の感覚の鈍感さに関しては、周囲がこまめに気を配ることが大切です。

例えば、治療が必要なケガをしているのに平然としていることがあるので、訴えがなくても簡易な健康状態チェックを行うなどの配慮が求められます。 

外見からのみでも、動悸、息切れ、咳、切り傷、打撲、ヤケドの有無や程度、衣類が濡れていないかなどは確認できます。

食欲不振(食べ残し等)も健康状態をチェックする指標となります。

また、「普段より暑くないか(寒くないか)。」、「ふらつきはないか。」、「外傷はないか。」、「頭痛、腹痛など身体の痛みはないか。」などと質問することも効果があります。

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精神的な状態については、奇妙な言動の有無や程度、抑うつ的な症状の有無や程度、情報遮断(常に耳を塞いだり、目を閉じたりしているなど)などを確認します。

精神的なストレスの度合いを調べる質問としては、「他の場所へ移りたいと思いますか。」、「苦痛なことはありますか。」などが考えられます。

本人の症状や状態を把握している人の協力を得る

発達障害の症状は個人差が大きく、その人にとって何がストレスになり、どう対応すれば効果があるのかを見つけることは専門職でも難しいところがあります。

そのため、家族や親族、友人、知人など、発達障害の人の症状や状態を把握している人を探し、協力を得ることが大切です。

専門的な知識を有する人の協力を得る

発達障害の人の症状によっては、一般人だけで対応することが困難な場合があります。

近年は、避難所などに発達障害の人への対応に詳しい専門職が配置されることが増えているため、必要に応じて協力を求めることも大切です。

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参考:災害時の発達障害児・者支援について-発達障害情報・支援センター

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