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春の自然災害と防災対策!春一番や融雪洪水など春特有の災害は多い?

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春は、寒さが和らいで陽の光を心地よく感じ、外出を楽しみたくなる季節です。

しかし、山間部や山沿いに残った雪が融雪洪水や雪崩(なだれ)となったり、低気圧が急速に発達して「春の嵐」や「メイストーム」と呼ばれる暴風や吹雪が発生したりする季節でもあります。

冬と比較して防災意識が緩みやすいものですが、春に発生しやすい自然災害について理解を深め、常に災害が起こった場合を想定して備えることが大切です。

この記事では、春に発生しやすい自然災害と防災対策について解説します。

春に発生しやすい自然災害

春は、穏やかな季節というイメージを持たれがちですが、実際は様々な災害が発生しています。

  • 春一番・春の嵐
  • メイストーム
  • 融雪洪水
  • 雪崩(なだれ)

以下、一つひとつ詳しく解説します。

春の災害:春一番・春の嵐

まずは、春一番と春の嵐です。

春一番とは

春一番とは、冬から春への移り変わりの時期に吹く、その年初めての南寄りの強い風です。

例年、立春から春分の間(2月4日から3月21日頃)に日本海上で低気圧が発達し、日本国内の北海道・東北地方・沖縄を除く地域に吹き荒れます。

春一番は、雪崩や融雪洪水などの気象災害や海難事故、住宅トラブル、脱線事故などの災害をもたらします。

そのため、漁業関係者などの間では、昔から「春一番」は警戒の対象とされてきました。

また、春一番が吹いた日は気温が上昇しますが、翌日以降は寒さが戻ることが多く(寒の戻り)、気温の急な変化で体調を崩してしまう人もいます。

春一番の認定と報道

原則として、立春から春分までの間に、日本海を進む低気圧に向かって、南側の高気圧から風速8km/秒以上の風が吹き込み(10分間平均)、前日と比較して気温が上昇すると春一番と認定・発表されます。

ただし、春一番の認定は地域ごとに行われており、「春一番のお知らせ」も地方ごとに発表されています。

春の嵐とは

春の嵐とは、3月に入っても低気圧が発達しながら日本海を通過した場合に吹く強い風です。

つまり、自然現象としては春一番と同じですが、強い風が吹く時期が異なるのです。

春の嵐が観測されると、各地方の気象台が、強風や大雨などへの注意と警戒を呼びかける目的で気象情報などを発表します。

春一番・春の嵐対策

春一番や春の嵐は、大雨や吹雪、強風をもたらし、台風と同程度の暴風を発生させることもあり、人的・物的被害が生じます。

防災対策としては、春先だからと油断せず、天気予報をチェックする習慣を身につけておくことが大切です。

出勤前に当日の天気予報、就寝前に翌日の天気予報を確認する習慣をつけておくと、春一番や春の嵐を迅速に把握して対応を検討することができます。

例えば、漁業関係者であれば出航を控え、会社員であれば出勤や帰宅の時間をずらすなど、春一番や春の嵐の影響を最低限に抑えられます。

また、高波などが発生するおそれがあるため、海には絶対に近づいてはいけませんし、市街地であっても、暴風による飛来物や街路樹・電柱などに注意する必要があります。

自宅にいる場合、暴風で飛ばされやすい物を固定・補強・家の中へ移動させ、窓ガラスには飛散防止フィルムを貼るなどの対策が必要です。

春の災害:メイストーム

メイストームとは、4月後半から5月頃にかけ、温帯低気圧の急速な発達によって吹く強い風です。

日本では、春先に日本海などで温帯低気圧が台風レベルまで発達しますが、5月に入ると見られなくなるのが通常です。

しかし、頻度は低いものの、4月後半から5月に温帯低気圧が急速に発達することがあり、「メイストーム」と呼ばれているのです。

メイストーム対策

原則として、春一番や春の嵐と同じです。

春の災害:融雪洪水

融雪洪水とは、河川流域内に積もった雪が大量に融け、河川の水位が上昇することで発生する洪水です。

融雪洪水が発生しやすいのは、以下のような状況です。

  • 3~5月頃の融雪期(雪解けの時期)
  • 大雨(集中豪雨)や長雨が降った
  • 休に気温が上昇した
  • 暖かい風が吹いている

融雪洪水対策

融雪洪水対策は、住んでいる地域の状況確認から始めます。

自宅・勤務先・子どもの学校などの水害ハザードマップを入手し、融雪洪水による被害が発生するリスクを事前に確認しておくのです。

水害ハザードマップは、市区町村役場で入手するか、国土交通省ハザードマップポータルサイトで確認します。

また、防災気象情報のチェックも重要です。

気象庁は、融雪などで河川の水位が上昇して災害が発生すると予想すると、洪水注意報や洪水警報を発表して注意や警戒を呼びかけます。

防災アプリや天気予報をこまめに確認し、注意報や警報が発表されたら避難を含めて対応を検討します。

避難経路・避難場所や連絡手段などを家族で話し合っておくことや、防災グッズを備えておくことも忘れないでください。

融雪期の防災対策については、別の記事で詳しく解説しています。

融雪期とは?雪解け時期の防災対策は?出水期や融雪出水期との違いは?

春の災害:雪崩(なだれ)

雪崩(なだれ)とは、重力によって山の斜面などの積雪が崩れ落ちる現象です。

冬の災害だと思われがちですが、総務省消防庁が公表している「今冬の雪による被害状況」では、3月や4月にもなだれが発生していることが分かります。

なだれの種類、発生時期、速度、発生しやすい場所と条件について、確認しておきましょう。

なだれの種類

全層なだれ:古い積雪と新雪の両方が地表面を滑り落ちる

表層なだれ:古い積雪上に降り積もった新雪だけが滑り落ちる

なだれの発生時期

1位:2月(165件)

2位:1月(97件)

3位:3月(57件)

4位:12月(28件)

5位:4月(25件)

※1993~2014年の合計数

なだれの速度

全層なだれ:40~80km/時

表層なだれ:100~200km/時

発生しやすい場所

傾斜30度以上の急斜面

低木がまばらに生える斜面

落石注意の標識が設置された場所など

発生しやすい条件

表層なだれ:雪庇や吹き溜まりのある斜面、古い積雪があるところに短期間に多量の積雪、0度以下の気温が継続、強風や吹雪が継続

全層なだれ:過去になだれが発生した斜面、気温の急な上昇、斜面の積雪に亀裂

春先には、気温上昇や降雨によって融けた水で滑りやすくなった地表面上を、斜面の積雪全てが滑り落ちる全層なだれが起こりやすくなっています。

雪崩(なだれ)対策

なだれは、全層なだれでも時速40~80kmで、接近してから避難しても間に合いません。

そのため、ハザードマップで雪崩の危険のある場所を確認したり、気象情報をこまめに確認したりすることが大切です。

そして、雪崩注意報や雪崩警報が発表された場合は、なだれが発生しやすい場所には絶対に近づかず、近くにいる場合はすぐ避難してください。

実際になだれに遭遇した場合、以下の対応をとります。

  • 雪崩の流れの端へ移動
  • 荷物を下ろす
  • 雪崩が間近に迫ったら、雪の中で呼吸するために手で口の前に空間を作る
  • 巻き込まれたら、雪をかいて浮上を目指す

ただし、全層なだれは、滑り落ちてくる雪の量が膨大で、巻き込まれると命を落とす可能性が高い災害です。

そのため、事前の備えが何よりも重要になることは肝に銘じておく必要があります。

【参考】