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感震ブレーカーとは?価格と補助金は?後付けできる?

感震ブレーカー

大地震発生時に起こる火災の多くが電気関連の出火によるものであることから、以前から対策が検討されてきました。

感震ブレーカーは、近年、政府が出火防止対策として普及を促進している器具であり、取りつけることで自分や家族の命を守るだけでなく、地域を守ることにもつながるものです。

この記事では、感震ブレーカーとは何か、種類と価格、設置上の留意点について解説します。

感震ブレーカーとは

感震ブレーカーとは、地震発生時、設定値以上の揺れを感知するとブレーカーやコンセントなどの電気を自動的に遮断し、電気火災を防止する器具です。

大地震の発生によって起こる火災には「地震発生直後の火災」と「通電火災(電気火災)」があります。

  • 地震発生直後の火災:地震の揺れで電気機器が倒れ、可燃物と接触して火災が起こる
  • 通電火災(電気火災):電線の断線による停電や保安点検目的の停電が起こった後、電気が復旧したときに、「可燃物が落下した電気機器」や「破損した電気コード」に通電して火災が起こる

感震ブレーカーは、地震による火災という二次災害に備える器具として注目されています。

地震による火災の原因は「通電火災(電気火災)」が多い

地震に伴って発生する火災の多くが、電気が関連した出火が原因となっています。

例えば、日本火災学会誌「2011年東日本大震災火災等調査報告書」では、東日本大震災の本震の影響で発生した火災111件(3件は原因不明)の過半数が、地震動(地震の揺れ)による電気機器からの出火や停電復旧時の出火などの電気火災(通電火災)であったと報告されています。

また、阪神・淡路大震災においても、地振動の影響で大規模火災が発生して大きな被害をもたらしており、その一部は電気火災が原因であったと考えられています。

感震ブレーカーの普及促進

感震ブレーカーは、首都直下地震緊急対策推進基本計画において、出火防止対策の一つとして普及促進が位置づけられ、2015年2月には「感震ブレーカー等の性能評価ガイドライン」が整備されました。

また、同年3月には「大規模地震時の電気火災の発生抑制対策の検討と推進について(報告)」では、密集市街地における緊急的かつ重点的な普及が求められると言及されました。

2016年3月には「内線規程」の改訂によって感震ブレーカーの設置が規定された他、密集市街地の住宅などに設置することを勧告するとともに、その他の地域の住宅などへの設置も推奨されています。

MEMO
  • 首都直下地震緊急対策推進基本計画:首都直下地震対策特別措置法に基づいて、円滑かつ迅速な首都直下型地震対策を図る目的で策定された計画
  • 内線規程:電気需要場所での電気設備の保安確保・電気の安全に資することを目的として、電気工作物の設計、施工、維持、検査の規範となる民間自主規格

感震ブレーカーの種類と価格

感震ブレーカーには、主に4つの種類があります。

  • 分電盤タイプ(内蔵型)
  • 分電盤タイプ(後付け型)
  • コンセントタイプ
  • 簡易タイプ

分電盤タイプ(内蔵型)

分電盤タイプ(内蔵型)とは、分電盤に地震の揺れを感知するセンサーが内蔵されており、一定以上の揺れを感知するとブレーカーを切って電気を遮断する感震ブレーカーです。

分電盤タイプ(内蔵型)の感震ブレーカーの価格は約5~10万円で、別途、電気工事代金がかかります。

自宅を新築する場合などに設置を検討します。

感震装置の機能

センサーが地震の揺れを感知すると警報が鳴り、感知から3分後に主観漏電ブレーカーを自動的に切って電気を遮断します(警報は鳴り止む)。

また、地震を感知して3分以内に停電が発生した場合、電気が復旧した直後に漏電ブレーカーを自動遮断する仕組みになっています。

分電盤タイプ(後付け型)

分電盤タイプ(後付け型)とは、感震機能を分電盤に外付けする感震ブレーカーです。

分電盤タイプ(内蔵型)と同じく、センサーが一定以上の揺れを感知した場合にブレーカーを切り、電気を遮断します。

設置するには、分電盤に漏電ブレーカーが設置されている必要があるため、事前確認が必要です。

分電盤タイプ(後付け型)の感震ブレーカーの価格は約2~3万円で、別途、電気工事代金がかかります。

MEMO

漏電ブレーカー:漏電を感知して強制的に電気を遮断するブレーカー

コンセントタイプ

コンセントタイプとは、コンセントに内蔵されたセンサーが地震の揺れを感知し、コンセントから電気を遮断する感震ブレーカーです。

コンセントタイプの感震ブレーカーには埋め込み型とタップ型の2種類があります。

埋め込み型は、壁面などにセンサー内臓の感電ブレーカーを埋め込んで使用するもので、本体価格5千円~2万円に加えて電気工事代金がかかります。

一方のタップタイプは、コンセントに感電ブレーカーを差し込んで使用するもので、電気工事が不要なため、費用は本体価格5千円~2万円のみです。

簡易タイプ

簡易タイプとは、地震の揺れによって、ばねを作動させたり、おもりを落下させたりしてブレーカーを切り、電気を遮断する感震ブレーカーです。

簡易タイプの主な種類は、以下のとおりです。

  • ばね式:一定以上の地震の揺れをセンサーが感知してばねが作動し、ブレーカーを遮断
  • おもり玉式:一定以上の震度の揺れでおもり玉が落下してブレーカーを遮断
  • 電気式:一定以上の地震の揺れをセンサーが感知し、接続されたマイコンに信号を送ってブレーカーを遮断

「簡易」タイプという名称のとおり、他の感震ブレーカーと比較すると原始的な作りですが、2千円~1万円程度と安価で、ホームセンターや家電量販店でも入手できるため、手軽に設置できます。

感震ブレーカーの一覧表

 種類 電気工事 価格
分電盤タイプ(内蔵型) 5~10万円
分電盤タイプ(後付け型) 2~3万円
コンセントタイプ 5千円~2万円
簡易タイプ 不要 2千円~1万円

感震ブレーカーの補助金

感震ブレーカーは、政府主導で普及啓発が行われているところ、設置に補助金を出す地方自治体もあります。

補助金の支給対象、補助金額、補助金の対象となる感震ブレーカーの種類、件数制限などは自治体によって異なるため、住んでいる地域の市区町村役場に事前確認してください。

感震ブレーカー設置上の留意点

感震ブレーカーは、地震による火災を防止するために大きな効果を発揮しますが、設置に当たっては留意すべき点もあります。

医療用機器を使用している場合

電気を使用する医療用機器を使用しており、それが生命維持に重要な役割を果たしている場合、感震ブレーカーによって電気が遮断されると命の危険にさらされます。

電気遮断時に電気を供給できるバッテリーなどを備えておく必要があります。

照明器具を備える

夜間など視界が悪い状況で大地震が発生して感震ブレーカーが作動すると、自宅内が真っ暗で避難準備や避難行動に支障が生じる上、転倒して怪我をするリスクもあります。

そのため、電気遮断(停電)時の備えとして、停電時に作動する保安灯を設置しておいたり、就寝時に枕元に懐中電灯を常備しておいたりすることが大切です。

特に、揺れを感知してから電気を遮断するまでの時間が短い感震ブレーカーを設置した場合は、電気遮断と同時に使用できる照明器具を備えておく必要があります。

過信しない

感電ブレーカーは、設置状況によっては、ニュースなどで発表された震度が設定作動震度より小さいにも関わらず作動したり、大きいのに作動しなかったりすることがあります。

そのため、感震ブレーカーを設置したからといって安心しすぎず、地震発生後に自宅を出て避難する場合は、ブレーカーを確認し、切れていなければ手動で切るようにしてください。

【参考】