災害と気象警報・注意報

河川氾濫とは?防災対策、指定河川洪水予報のレベルと避難方法

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河川氾濫 河川氾濫情報 危険 リスク

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大雨は、洪水や内水氾濫、土砂崩れなど様々な災害を引き起こしますが、河川氾濫もその一つです。

河川氾濫という言葉はニュースなどでよく耳にしますが、具体的にどのような現象で、発生した場合にどのような被害が出るのでしょうか?

また、河川氾濫に関する情報にはどのような種類があり、防災(事前対策)や避難はどうすれば良いのでしょうか?

この記事では、河川氾濫の概要、河川氾濫に関する情報の種類、防災(事前対策)と避難方法について紹介します。

河川氾濫とは

河川氾濫とは、大雨により、河川の水位が上昇して堤防の高さを越えたり、堤防が決壊したりして水が勢いよく溢れ出す現象です。

「かせんはんらん」と読み、「河川はん濫」と表記されることもあります。

河川氾濫が発生すると、河川から溢れ出した大量の水が町の中に勢いよく流れ込み、広範囲にわたって住宅の浸水や倒壊、人的・物的被害などが起こります。

また、雨の量や降り続けた期間、河川氾濫が発生した場所や地形などによっては、流れ込んだ水が引かず、1ヶ月近く町の中に留まることもあります。

河川洪水、融雪洪水、内水氾濫との違い

河川氾濫と間違われやすい現象に、河川洪水、融雪洪水、内水氾濫があります。

河川洪水

河川洪水とは、大雨や雪解けによって河川の水量が急激に増え、水位が高くなる現象です。

一般的には、河川から水が溢れ出すこと(河川氾濫)を洪水と呼ぶことが多いものですが、洪水の本来の意味は、「水量が急激に増え、水位が高くなる現象」であり、河川氾濫とは区別されています。

日本では、雪解けが起こる4月~5月、梅雨時、台風が通過した時などに起こりやすいものです。

融雪洪水

融雪洪水とは、雪が解けて河川の水位が上昇する現象ですが、河川氾濫と同じ意味で使われることが多いものです。

融雪洪水は、雪が解ける春先(4月~5月頃)に起こりやすい現象です。

特に、気温が急激に上昇したり、大雨が降ったりすると、河川の上流に積もった雪が一気に解けて流れ出して、河川の水位が急上昇し、河川氾濫を引き起こすことがあります。

内水氾濫

内水氾濫とは、ある地域の排水能力を超える量の雨が降ることにより、町の中に水が溢れる現象です。

「ないすいはんらん」と読み、浸水害と同じ意味で使われることもあります。

河川氾濫に比べて、雨が降り出してから浸水被害が発生するまでの時間が短いのが特徴です。

一方で、河川氾濫よりも水の勢いは弱く、浸水高も低いので、鉄筋コンクリート造の建物の2階に避難すれば人的被害を免れられることが多いものです。

また、下水道や排水路のキャパシティ-が低い地域や、周辺よりも相対的に低い地域は、河川から離れていても浸水害の危険が高くなる傾向があります。

河川氾濫の防災(事前対策)

災害発生時の被害を最小限に抑えるために事前の備えが大切なのは、河川氾濫についても同じです。

ハザードマップで河川氾濫の危険度を確認しておく

河川氾濫に対する備えで重要なのが、住んでいる地域の河川氾濫の危険度について、ハザードマップで確認しておくことです。

各自治体は、河川氾濫のハザードマップを作成し、管轄地域で河川氾濫が発生した場合に危険な場所に関する情報を公開しているので、確認しておきましょう。

なお、水害に関するハザードマップには、河川氾濫に関するハザードマップと、内水氾濫に関するハザードマップの2種類を作成・公開している自治体もあるので、間違えないようにしてください。

避難経路と避難場所を確認しておく

河川氾濫の危険度が高い地域に住んでいる場合、避難経路と避難場所を確認しておきます。

河川氾濫以外の災害が同時に発生したり、家族がケガをしたりするなど予期せぬ事態に備え、避難経路と避難場所は複数確認しておくと安心です。

大雨が続く場合は河川氾濫を意識する

河川氾濫の一番の原因となるのは大雨です。

大雨が長く続くほど河川氾濫の危険が高くなるので、こまめにニュースを確認し、避難する心づもりをしておきましょう。

また、住んでいる地域で雨が降っていなくても、河川の上流で大雨が続いていると、急に河川が氾濫することがあるので、上流地域の状況も確認することが大切です。

河川氾濫に関する情報

河川氾濫に関して確認しておきたい情報は、以下のとおりです。

  • 洪水注意報、洪水警報
  • 大雨注意報、大雨警報、大雨特別警報
  • 指定河川洪水予報

洪水注意報、洪水警報

  • 洪水注意報:大雨、長雨、融雪などで河川が増水し、河川の増水・氾濫や堤防の損傷・決壊による災害が発生するおそれがあると予想した場合
  • 洪水警報:大雨、長雨、融雪などで河川が増水し、河川の増水・氾濫や堤防の損傷・決壊による重大な災害が発生するおそれがあると予想した場合

引用:防災ノート

洪水注意報と洪水警報は、河川氾濫や河川洪水による災害の発生に対する気象警報です。

雨量基準、流域雨量指標基準、複合基準の他、指定河川洪水予報との整合性をとるための基準によって発表されます。

大雨注意報、大雨警報、大雨特別警報

  • 大雨注意報:大雨で、浸水や土砂などによる災害が発生するおそれがあると予想した場合。災害のおそれが残る場合は、雨が止んでも注意報が維持される
  • 大雨警報:大雨で、浸水や土砂などによる重大な災害が発生するおそれがあると予想した場合。災害のおそれが残る場合は、雨が止んでも注意報が維持される
  • 大雨特別警報:台風や集中豪雨で数十年に一度の降雨量となる大雨が予想されたり、数十年に一度の強度の台風や同程度の温帯低気圧で大雨になると予想されたりした場合。浸水や土砂災害などの重大な災害が発生するおそれが著しく大きい状況が予想される。災害のおそれが残る場合は、雨が止んでも注意報が維持される

引用:防災ノート

大雨注意報、大雨警報、大雨特別警報は、内水氾濫による浸水害や土砂災害に対する気象警報ですが、河川氾濫と内水氾濫は同時に起こることが多いため、この記事でも紹介しています。

洪水警報と異なり、「数十年に一度の大雨」が予想される場合などには、特別警報である「大雨特別警報」が発表されることがあります。

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指定河川洪水予報

指定河川洪水予報とは、気象庁が、国土交通省もしくは都道府県と共同で、あらかじめ指定した河川の区間について洪水の予報を行うものです。

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洪水注意報や洪水警報が、市区町村単位の区域ごとに洪水が起こるおそれの程度を示すのに対して、指定河川洪水予報は、あらかじめ指定された河川で洪水が起こるおそれの程度を示します。

実際に発表される指定河川洪水予報には、「◯◯川はん濫注意情報」というように、特定の河川の名前が付されています。

そのため、住んでいる地域における河川氾濫の危険度について、より把握しやすくなっています。

指定河川洪水予報の種類

指定河川洪水予報には、4種類あります。

指定河川洪水予報の名称、発表基準、求められる対応は、以下のとおりです。

  • はん濫注意情報:氾濫注意水位に達し、さらに水位の上昇が見込まれる状態で、氾濫の発生への注意を求める段階
  • はん濫警戒情報:氾濫危険水位に達する見込みがある、もしくは避難判断水位に達し、さらに水位の上昇が見込まれる状態で、避難準備など氾濫発生への警戒を求める段階
  • はん濫危険情報:氾濫危険水位に達した(いつ氾濫してもおかしくない)状態で、避難などの氾濫発生への対応を求める段階
  • はん濫発生情報:河川氾濫が発生し、氾濫した水への警戒を求める段階

はん濫注意情報は、洪水注意報に相当します。

また、はん濫警戒情報、はん濫危険情報、はん濫発生情報は、洪水警報に相当します。

河川氾濫の避難

河川氾濫が発生した場合の避難行動について見ておきましょう。

河川氾濫の避難1:想定浸水高に応じて避難方法を変える

河川の堤防が決壊した場合、大量の水が広い地域に流れ込み、周辺に比べて低地になっている地域や地下などは浸水高が急に高くなります。

そのため、迅速に避難行動を取ることは大切ですが、浸水高によっては避難場所に移動することが困難な場合や、建物内にとどまった方が安全な場合があります。

そのため、想定される浸水高をこまめに確認しながら、臨機応変に避難行動を変える必要があります。

想定浸水高が0.5m未満

浸水高が膝より低い場合は、徒歩による避難が可能です。

ただし、周辺より低まった地域や地下などは背丈を越える高さまで一気に浸水することがあるので、できるだけ高い場所を通って避難することが大切です。

一方で、浸水高が膝よりも高い場合は、徒歩による避難は困難かつ危険なので、自宅から逃げ遅れた場合は一番上の階へ避難し、外出先の場合は最寄りのなるべく高い建物の最上階へ避難します。

通常、マンションの5階以上に住んでいる場合は、避難したり上層階へ移動したりする必要はありませんが、浸水が長期間続いて自宅から出られなくなった場合を想定し、食料や日用品などをあらかじめ準備しておく必要があります。

なお、車での避難は事故や故障の危険が高いものです。

想定浸水高が0.5mから3m未満

徒歩でも車でも移動することは困難なので、屋内へ避難します。

1階部分は床上浸水するため、食料品や貴重品、情報収集機器(スマートフォンやラジオなど)を持って、できるだけ上の階に移動する必要があります。

外出先にいる場合は、最寄りのできるだけ高い建物に避難しましょう。

想定浸水高が3m以上

2階部分が床上浸水します。

2階建ての一軒家もしくはアパートに住んでいる人は、避難が遅れると危険な状態にさらされることになるため、河川氾濫に関する情報を常に確認し、氾濫する前に避難することが大切です。

避難が遅れた場合は、雨具を身につけて2階に避難し、2階にも浸水してきたら、机の上や屋根など高いところに上って救助を待つことになります。

河川氾濫の避難2:河川に近づかない

避難場所へ移動する場合は、なるべく河川の近くを通らない経路を選びます。

また、河川の様子が気になっても決して近づかないようにしましょう。

近年、氾濫した河川や浸水した地域の動画や画像を撮影する目的で被災地域へ入って命を落とす人が相次いでいます。

くれぐれも身の安全を第一に考えて行動してください。

河川氾濫の避難3:夜間の避難は避ける

他の災害でも同じですが、夜間の避難は日中の避難よりも危険度が高くなります。

周囲の様子がよく見えず、大雨の音にかき消されて周囲の声や音も聞こえにくい上、そうした状況でスムースに避難行動がとれずに長時間雨に濡れ、体力も奪われてしまうからです。

特に、子供や高齢者と一緒に避難する場合は、健康な大人だけの場合よりも避難する時間帯を考慮する必要があります。

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