災害と気象警報・注意報

降灰予報とは?降灰情報で火山灰に備える方法!

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降灰予報

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火山灰は、火山噴火の度に膨大な量が噴出し、風に乗って広範囲に被害をもたらします。

火山灰による被害を最小限に抑えるには、降灰に関する情報を得て備えておくことが大切です。

火山灰に関する情報として押さえておきたいのは、気象庁が発表する降灰予報です。

この記事では、降灰予報の概要、内容と発表基準、降灰予報と降灰対策について紹介します。

降灰予報とは

降灰予報(こうはいよほう)とは、火山噴火に伴って広範囲に火山灰が降ることが予測される場合に、気象庁が発表する予報です。

火山に関する情報として気象庁が発表する噴火警報・予報や火山ガス予報とは別のもので、降灰に特化した情報として発表されています。

降灰予報の推移

降灰予報は、2008年3月31日から発表が開始されました。

当初は、一定規模以上の噴火が発生した場合に、噴火発生から概ね6時間後までに降灰が予想される地域が発表されており、降灰量の予測が発表されていませんでした。

そのため、どの程度の降灰対策をすればよいか、予報の受け手側が判断しにくいところがありました。

しかし、2015年3月に降灰予報が改正され、現在は、火山噴火後に降灰予想地域に加えて降灰量の予測が発表されるようになっています。

なお、火山灰による被害の大きさなどを考慮し、予報から警報に変更する必要性が指摘されており、検討が進められています。

降灰予報の対象となる火山

降灰予報は、日本国内にある全ての火山が対象です。

2018年10月現在、日本には111の活火山があり、その全てが降灰予報の対象です。

火山の分布

出典:気象庁|活火山とは

降灰予報の内容

降灰予報では、原則として、火山噴火後に「降灰が予想される場所」と「降灰量の予測」が発表されます。

降灰が予想される場所

降灰予報は、市区町村単位で発表されます。

予報開始時は都道府県単位で発表されていましたが、改正後は市区町村単位での発表が可能になっています。

また、活動が活発化している火山については、「今日、火山噴火が起こった場合に降灰が予想される範囲」が発表され、火山噴火の直後には「小さな噴石が降る範囲」が速報されます。

小さな噴石とは、火山噴火に伴って火口から噴出する固形物のうち、火山灰と溶岩以外で、粒径が2mm以上64mm未満のものです。

大きな噴石 粒径64mm以上
小さな噴石 粒径2mm~64mm未満
火山灰 粒径2mm未満

小さな噴石は、火山灰と同じく風に乗って火口から遠く離れた地域まで飛び、人、建物、土地、道路、電車、車などに当たって被害をもたらすおそれがあります。

降灰量の予測

降灰量の予測に関する情報は、実際に火山灰が降り積もった場合の厚さに応じて3つの階級で表示されます。

表示 降灰量
多量 1mm以上
やや多量 0.1~1mm
少量 0.1mm未満

 

 

 

降灰予報の種類と発表基準

降灰予報は、噴火警戒レベルが高まった活火山につき、噴火前、噴火直後、噴火後の3段階で発表されます。

降灰予報

(定時)

噴火の可能性が高い火山につき、18時間以内に噴火した場合の「降灰範囲」と「小さな噴石の落下範囲」を定期的に発表

降灰予報

(速報)

噴火直後(5~10分程度)、1時間以内の「降灰量分布」や「小さな噴石の落下範囲」を発表

降灰予報

(詳細)

噴火後(20~30分)、詳細な「降灰量分布」や「降灰開始時刻」を発表

降灰予報(定時)

降灰予報(定時)

出典:気象庁|降灰予報の説明

降灰予報(定時)とは、火山の噴火警戒レベルが上がるなど活動が活発化して噴火する可能性が高い場合に、発表される予報です。

降灰予報(定時)の発表基準は、日本国内の火山で一定規模以上の噴火が発生した場合です。

一定規模以上について、気象庁ウェブサイトでは「噴煙の高さが3000m以上、または噴火警戒レベル3相当以上の噴火など」と例示されています。

火山の噴火規模や気象条件などを仮定して降灰のシミュレーションが行われ、火山が噴火した場合に噴火から18時間先までに予想される降灰の範囲や小さな噴石の落下範囲が発表されます。

降灰予報(定時)は3時間ごとに更新され、ニュースなどで報道される他、気象庁ウェブサイトでも確認することができます。

気象庁|降灰予想(定時)の発表状況

降灰予想(速報)

降灰予報(速報)

出典:気象庁|降灰予報の説明

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降灰予想(速報)とは、噴火に関する火山観測報(噴火発生の通報)を受けて発表される予報です。

降灰予想(定時)を発表中の火山か否かによって、発表の規準が異なります。

降灰予報(定時)発表中か否か 降灰予報(速報)の発表基準
発表中 降灰量が「やや多量」以上
未発表 降灰量が「少量」

降灰予報(定時)が未発表の地域で火山噴火が発生した場合、火山噴火に伴う降灰範囲を迅速に伝える必要があるため、降灰量が少なくても降灰予報(速報)が発表されます。

気象庁|降灰予報(速報)の発表状況

降灰予報(詳細) 

降灰予報(詳細)

出典:気象庁|降灰予報の説明

降灰予報(詳細)とは、火山噴火後、噴火時刻や噴煙高などの観測情報を踏まえて算出された、より精度の高い予報です。

降灰予報(速報)と同様、降灰予報(定時)の発表の有無によって、発表の規準が異なります。

降灰予報(定時)発表中か否か 降灰予報(速報)の発表基準
発表中 降灰量が「やや多量」以上
未発表 降灰量が「少量」

また、降灰予報(速報)が発表された場合も、必ず降灰予報(詳細)が発表されます。

気象庁|降灰予報(詳細)の発表状況

 

降灰予報と火山灰対策

降灰予報が発表された場合の、降灰対策の目安を確認しておきましょう。

噴火前:降灰予報(定時)が発表された場合

降灰予報(定時)が発表された場合、予想される降灰範囲と降灰量を確認し、住んでいる地域への降灰が予想される場合は、以下の備えをします。

  • 外出する場合、防塵マスク、ゴーグル、傘などを準備し、肌の露出が少ない衣服を着る
  • 降灰が自宅に入り込まないよう、窓を閉めておく
  • 降灰予報をこまめに確認する

噴火直後:降灰予報(速報)が発表された場合

降灰予報(速報)が発表された場合、まずは小さな噴石の飛来に備えなければなりません。

降灰予報で小さな噴石の落下範囲を確認し、屋外にいる場合は迅速に安全な建物内へ避難します。

「小さな」噴石といっても、その大きさは「2mm~64mm」まで差があるため、傘や雨具では防ぎきれないこともあるため、屋外にいるのは危険です。

また、落下範囲のすぐ外にいる場合も、念のため避難しておくと安心です。

車などを運転中の場合も、小さな噴石が当たってフロントガラスが割れるなどの被害を受けることを想定し、安全な場所に避難することが大切です。

降灰量に応じて対応する

また、予報に表示されている降灰量予測に応じて対応を検討することになります。

降灰量予測 対応
少量
  • 屋内:窓を閉める
  • 屋外:傘を使用
  • 運転中:フロントガラスの除灰
やや多量
  • 屋内:窓を閉める
  • 屋外:防塵マスクやゴーグルを着用
  • 運転中:徐行運転
多量
  • 屋内:窓を閉める
  • 屋外:屋内へ避難(不要不急の外出は控える)
  • 運転中:運転を控える

噴火後:降灰予報(詳細)が発表された場合

降灰予想(速報)の項目に書いたとおり、降灰予想に表示される降灰量によって対応を検討することになります。

降灰のない地域から降灰のある地域へ転居した人の中には、「灰くらい、どうということはないだろう。」と考えている人が一定数います。

しかし、火山灰は草木を燃やしてできる灰とは異なり、人体、交通、ライフラインなどに多大な被害をもたらすおそれがあるものです。

火山灰について学習してそのこわさを理解し、降灰前に十分な備えをしておくようにしましょう。

【参考】

気象庁|降灰予報の説明

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