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災害時の口腔ケア!歯ブラシや水がない時や乳幼児・高齢者の口のケアは?

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災害時 口腔ケア 歯磨き 水

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口腔ケア(お口のケア)は、平時には生活の一部として習慣づけられていますが、災害発生によって避難生活を余儀なくされた状況下では、何かとおろそかになりがちです。。

その結果、避難生活が長引くほど口腔環境が悪くなり、乳幼児や高齢者などは命の危険にさらされることもあります。

そのため、災害発生当初は、人命救助や衣食住の確保が優先されるにしても、それらが落ち着いた段階で口腔ケアを習慣づけることが大切です。

また、災害発生時は歯ブラシや水が確保できない可能性もあるため、歯ブラシや水がない(不足している)場合の口腔ケアの知識も得ておきたいところです。

この記事では、口腔環境の悪化によるリスク、災害時の口腔ケア(お口のケア)について紹介します。

口腔環境の悪化によるリスク

避難生活が長引く中で口腔ケア(歯、口、入れ歯の清掃など)がおろそかになると、ストレス、水分不足、偏った食生活などと相まって、虫歯や歯周病などの病気や口臭が強くなるなどの症状が生じます。

災害時によく見られる口腔の症状

避難生活が長引いた場合に見られる口腔の症状と原因は、以下のとおりです。

主な症状 主な原因
口内の汚れ
  • 口腔ケア不足
  • 精神的ストレス
  • 疲れ
  • 栄養不足など
口内の乾燥
口臭
口内炎
歯肉炎
歯の痛み
歯ぐきの痛み

口内の汚れ・乾燥や口臭は、口腔の衛生状態が悪化していることを示す症状で、放置すると細菌の増加や粘膜の抵抗力低下を招いて口内炎や歯肉炎などの症状が生じます。

また、付着物や虫歯、義歯(入れ歯)の不適合などによって歯の痛みや歯ぐきの痛みが生じることもあります。

口腔環境の悪化によるリスクが高い人

口腔環境の悪化によるリスクが高いのは、乳幼児と高齢者です。

特に、自力で口腔ケアができない乳児期~幼児期前期の子どもや要介護者、口に入れた物を飲み込む機能に障害のある人は注意が必要です。

乳幼児と高齢者以外でも、病気や障害のある人や妊娠中または産褥期の女性などもリスクが高いと考えられています。

口腔環境の悪化によるリスクが高い人

  • 乳幼児
  • 高齢者
  • 要介護者
  • 糖尿病患者
  • 高血圧の人
  • 妊産婦など

これらの人が災害時に口腔環境が悪化すると、睡眠不足や栄養不足による体力低下が重なって、誤嚥性肺炎や呼吸器感染症などを引き起こすリスクが高く、最悪の場合は命を落とすこともあります。

災害時の口腔ケア(基本)

災害時の口腔ケアについて、具体的な状況を想定しながら確認していきます。

歯ブラシと水がある場合

歯ブラシや水があれば、平時と同様、毎食後に歯ブラシで歯の1本1本を丁寧に磨き、舌の表面も傷つけないように磨き、うがいをして汚れを洗い流します。

歯磨き粉や歯間ブラシなどを使用すると、より効果的です。

また、義歯を使用している場合は、毎食後に義歯を清掃することも大切です。

歯ブラシがない場合

防災グッズに入れていなかったなどの事情で歯ブラシが手元にない場合、他の物を歯ブラシ代わりにして歯を磨きます。

例えば、濡らして固く絞ったタオル、ガーゼハンカチ、ウェットティッシュなどを手の指に巻いて、歯の表面をこする方法があります。

人差し指または人差し指と中指にタオルなどを巻き、歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間、噛み合わせの食べかすや歯垢(しこう)を取り除きます。

お茶や柑橘類の皮を歯磨き粉代わりに使ったり、爪楊枝など先端が尖った物で歯と歯の間などを掃除すると、より効果的です。

歯磨き後は、水やお茶で口の中をきれいに洗い流します。

なお、アルコール入りのウェットティッシュで歯をこすると口の中が乾燥するため、使用しないでください。

 

水が不足している場合

避難生活を送る中では、水が十分に確保できない場合があります。

水が不足している場合は、うがいの回数を押されるため泡状になる歯磨き粉の使用は控え、歯磨き粉なしで歯を磨くか、ジェルタイプの歯磨き粉を少しだけ使用します。

マウスウォッシュやうがい薬を備えていれば、使用してください。

水が不足している場合の歯磨きの手順の一例を示しておきます。

  1. コップ1(水30ml)とコップ2(水20ml)を準備(確保できれば)
  2. 水で湿らせたティッシュなどで唇を拭いて湿らせる
  3. コップ2の水で歯磨き(または代用品)を濡らして歯磨きする
  4. 歯磨きの汚れをティッシュで拭き取り、コップ2の水で歯磨きを洗う(こまめに繰り返す)
  5. コップ1の水を口に含み、口をすすぐ(2~3回に分けて口に含む)
 

ポイントは、口をすすぐ水と歯磨きを洗う水を少量ずつ2種類準備すること、こまめに歯磨きの汚れを取り除くこと、数回に分けて口をすすぐことです。

義歯(入れ歯)のケア

入れ歯を使用している場合、可能な限り、毎食後の歯磨きと同時に入れ歯の手入れも行います。

人前で入れ歯を外すのが恥ずかしい、つけ外しの手間が面倒くさいと感じる場合でも、少なくとも1日に1度は手入れをすることが口腔環境の維持には欠かせません。

水が不足している場合は、ウェットティッシュなどで汚れを拭き取ります。

部分入れ歯の針金部分などは、歯ブラシや綿棒などで丁寧に汚れを拭き取りましょう。

外した入れ歯を入れておく「義歯(入れ歯)洗浄剤」がない場合は、中性洗剤(食器用)で代用できます。

口の体操

口腔を健康な状態に保つには、唾液が十分に分泌される必要があります。

唾液の分泌を促すには、簡単にできる口の体操が有効です。

唾液の分泌を促進するのに有効な口の体操は複数ありますが、ここでは基本的な体操のやり方を紹介しておきます。

  1. 頬をふくらませ、すぼめる
  2. 「あ」、「い」、「う」の形に口を動かす
  3. 舌を「べっ」と前に出す
  4. 舌を出したまま上下左右に動かす
  5. 1.~4.の動きを繰り返す

口の体操は、唾液の分泌を促すだけでなく、脳の覚醒やストレスの低減などの効果もあると考えられています。

赤ちゃんや高齢者などの口腔ケア

乳幼児や高齢者など、口腔環境の悪化によるリスクが高い人の口腔ケアについても確認しておきましょう。

赤ちゃん・幼児の口腔ケア

避難生活中は、食生活が偏りやすく、平時よりもチョコレートなどの甘いお菓子類やジュースなどを口にする頻度も増える傾向にあります。

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アメなど口の中に長く留まる飲食物を口にする機会が多いと、短期間で虫歯になってしまいます。

乳幼児の口腔ケアは、水やお茶をこまめに与え、口腔の乾燥を防ぐとともに清潔に保つのが基本です。

乳歯が生え始めた後は、毎食後に歯磨きなどで丁寧に歯を磨き(子どもが自分で磨きたがる場合は仕上げ磨きをする)、歯磨き後は、フッ素入りの歯磨き粉や緑茶を水に溶いて歯に塗ります。

乳幼児は、歯の状態を自分でチェックできないので、親がこまめに子どもの歯の様子を観察することが大切です。

 

要介護者の口腔ケア

要介護者の口腔ケアは、自力で口をすすぐこと(うがい)ができるか否かで対応が異なります。

自力でうがいができる場合

要介護者が自力でうがいできる場合は、歯磨きの方法はすでに紹介したとおりですが、うがい時に配慮が必要です。

具体的には、うがい後の水を飲み込まず吐き出してもらうために、うがい時に顔を横に向けてもらいます。

自力でうがいができない場合

要介護者が自力でうがいできない場合、口腔ケアの難易度は高くなります。

要介護者の顔を横に向けて、上あごと下あごの間にウェットティッシュなどを敷き、少量の水をつけた歯ブラシなどで歯を磨きます。

歯磨きが終わったらウェットティッシュなどを回収します。

 

【参考】

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