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高齢者の災害時の対応!避難情報の種類と時期、避難(誘導)の方法は?

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高齢者 災害時の対応 避難 避難所生活

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災害発生時、迅速に避難準備を整え、自身の状態や周囲の状況を把握した上で適切な避難行動を開始して、無事に避難所まで辿り着くという一連の過程は、簡単に実行できることではありません。

身体が不自由であったり、認知機能が低下したりした高齢者の場合、そのハードルはより一層高くなります。

中には、自力で移動できない高齢者や、避難を要する状態だと認識できない高齢者などもいます。

そのため、家族や周囲の人は、高齢者一人ひとりの状態に応じて、高齢者が安心かつ安全に避難できるよう適切にサポートする必要があります。

この記事では、高齢者の身体や認知の特徴、高齢者の災害時の対応のうち避難のタイミング(避難情報の種類と時期)や避難誘導の方法について紹介します。

なお、避難所生活を送る高齢者への支援については、関連記事で紹介しています。

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高齢者の加齢に伴う身体機能と認知機能の特徴

身体機能や認知機能は加齢によって変化していき、年を重ねるほど低下していきます。

高齢者の身体機能の変化

  • 視覚:低下する。特に、明暗への純応力が低下し、見えにくくなる
  • 聴覚:低下する。特に、高周波数の音が聞き取りにくくなる
  • 触覚:低下する。冷たい、温かいの感覚が分かりにくくなる
  • 嗅覚:低下する。焦げた食材やガスのにおいに気づきにくくなる
  • 手足:関節や筋肉の衰えに伴い、運動機能や反射能力が低下する
  • 身体:坂道や階段などでバランスを維持することが難しくなる
  • 体温調節:低下する。暑いと暑さ負けを起こし、寒いと風邪を引きやすくなる

高齢者の認知機能の変化

  • 記憶力:物忘れが増加する
  • 判断力・理解力:記憶力の低下に伴い、低下する

なお、認知症(アルツハイマー型認知症など)を発症すると、記憶障害に加えて見当識障害、妄想、暴言・暴力、徘徊などの症状が現れ、日常生活はもちろん、災害発生時の避難にも支障が出ます。

※当然ですが、身体機能や認知機能には個人差があります。

ここで紹介しているのはあくまで一般的な傾向であり、目安程度に考えてください。 

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認知症とは?原因と種類、症状、対応は?認知症のテストと予防は?

高齢者の避難のタイミング

通常、住んでいる地域で災害が発生して避難を要する状態になった場合、自治体から避難情報が発令されます。

自治体からの避難情報は、様々な方法で一般市民に届けられます。

  • テレビ
  • ラジオ
  • 自治体のウェブサイトやSNS(Twitterなど)
  • ネットの災害情報
  • 防災アプリ
  • 市区町村防災行政無線
  • 緊急速報メール
  • 電話
  • 消防団による連絡

災害発生時は、上記のいずれかの方法を用いて、災害情報や自治体の避難情報をこまめに確認する必要があります。

高齢者の中にはスマホや携帯電話を持っていない、ネットの使い方が分からないという人もいます。

そのため、家族が同居していれば家庭内で情報を共有し、別居であれば電話などで逐一情報を伝えてあげることが大切です。

自治体が発令する避難情報の種類

避難情報は、人的被害が発生する危険度に応じて3段階で発令されます。

  • 避難準備・高齢者等避難開始
  • 避難勧告
  • 避難指示(緊急)

避難情報の種類:避難準備・高齢者等避難開始

避難準備・高齢者等避難開始とは、人的被害が生じる災害が発生するおそれがある場合に発令される避難情報です。

避難準備・高齢者等避難開始は、高齢者など避難に時間を要する人に対して「避難開始」を呼びかけ、それ以外の人に対しては「いつでも避難できるよう避難準備を始めること」を呼びかける目的で発令されます。

つまり、高齢者は、避難準備・高齢者等避難開始が発令された場合、支援者のサポートを得て避難行動を開始することになります。

避難情報の種類:避難勧告

避難勧告とは、人的・物的被害が生じる災害が発生するおそれが高い場合に発令される避難情報です。

避難勧告は、対象地域に住む人などに安全な場所へ避難するよう促し、その生命や身体を保護する目的で発令されます。

「勧告」という言葉が持つ意味から状況を軽く認識してしまう人がいますが、避難勧告が出されるのは、災害の危険が間近に迫っている状況であることが多いものです。

したがって、避難準備・高齢者等避難開始の段階で避難行動を開始していない高齢者は、身の安全を確保するため、一刻も早く避難行動を開始しなければなりません。

避難情報の種類:避難指示(緊急)

避難指示(緊急)とは、人的・物的被害が生じる災害の危険が間近に迫っている場合に発令される避難情報です。

かっこ書きの「緊急」のとおり、まさに急を要する状態で発令されるものです。

住んでいる地域に避難指示(緊急)が発令されたら、一刻も早く避難を開始しなければなりません。

高齢者の場合、避難指示(緊急)が発令された後に避難を開始すると、かえって危険が高くなることがあります。

気象情報や各自治体の指示などを逐一確認し、避難する方がリスクが高いと判断した場合は、家の中の安全確認をした上で自宅に待機し、必要に応じて救助要請をします。

避難するか否かの判断は、可能な限り家族や支援者と一緒にすることが大切です。

避難情報の種類のまとめ

3つの避難情報と高齢者のとるべき行動をまとめると、以下のとおりです。

避難準備・高齢者等避難開始 支援者と一緒に避難行動を開始
避難勧告 早急に支援者と一緒に避難行動を開始
避難指示(緊急) 支援者と一緒に避難するか、自宅に留まるか検討

高齢者は、避難準備・高齢者等避難開始の避難情報が発令された時点で避難を開始するのが基本です。

避難指示(緊急)が発令された時点で自宅に留まっていた場合、自宅に留まるか避難を開始するかについて、状況を把握して家族や支援者に相談した上で判断することになります。

避難が困難だと感じたら無理をせず、救助要請を検討します。

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避難準備・高齢者等避難開始、避難勧告、避難指示(緊急)の違いは?

避難(避難誘導)の方法

高齢者の身体機能や認知機能に低下がない場合、基本的には一般的な避難方法と同じで問題ありません。

老眼、耳が遠い、肩腰の痛みなどがあっても、支援者の指示に従って徒歩で避難できる場合も、同様です。

高齢者の身体機能や認知機能の特徴を踏まえ、以下のポイントを意識して避難誘導してください。

  • 指示は1つずつ、分かりやすい言葉と大きな声で伝える
  • 指示は何度も同じ内容を繰り返す
  • 避難経路に段差、遮蔽物、水たまりなど避難の障害になる物がある場合、逐一注意喚起する
  • 必要に応じて高齢者の手を引き、身体を支える(必ず、高齢者の同意を得た上で)
  • 高齢者の状態を観察し、必要に応じて担架(ストレッチャー)などに乗せて避難させる方法に切り替える

一方で、移動には車いすが必要、足腰が悪く歩行器などがないと歩行が難しい、歩くことはできるが速度が遅く頻繁にふらつくなど避難が困難または避難に相当な時間を要する場合、家族や支援者が高齢者を避難所まで連れて行く必要があります。

また、認知症など精神上の疾患により迅速かつ適切な避難が困難な場合も、支援が必要です。

高齢者の状態によっては、抱きかかえるまたはおんぶする方法がありますが、家族や支援者に相当な体力が要求される上、非常時持出し袋を持てなくなることもあります。

事前の準備が必要ですが、折り畳み式で車輪がついた担架(ストレッチャー)を使用することで、支援者が体力消費を抑えつつ一人で高齢者を避難所へつれて行くことができます。

町内会などで購入している場合があるため、事前に確認しておきましょう。

避難する場所

避難する場所は、自治体が「指定緊急避難場所」に指定した場所です。

事前に避難所の場所、避難経路、避難にかかる時間などを家族や支援者と一緒に確認しておき、実際に災害が発生したときに慌てず避難行動ができます。

高齢者が家族と別居している場合や、一人のときに災害が発生した場合に備え、避難場所については家族で情報共有しておきましょう。

災害による被害が想像以上に大きい場合など、避難することのリスクが高い場合、自宅にいれば自宅で待機し、避難行動を始めた後であれば最寄りの安全な建物に避難します。

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家族で防災!安否確認と連絡方法、避難場所と経路を決めておく!

参考:災害時要援護者避難誘導マニュアル

 

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