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高齢者の避難所生活!被災地・避難場所における高齢者の支援・ケア

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高齢者 避難所生活

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避難所生活は、多くの高齢者にとって想像以上に過酷な環境です。

特に、要介護高齢者にとっては厳しく、避難所生活を強いられる中で身体機能や認知機能を一気に低下させてしまう人が少なくありません。

高齢者の避難所生活をより良いものにするには、家族や支援者のサポートが欠かせません。

しかし、サポートする意欲はあっても、具体的にどうサポートすれば良いか分からないという人が多いものです。

この記事では、高齢者が避難所生活で感じる苦痛、避難所における高齢者の支援やケアについて紹介します。

高齢者が避難所生活で感じる苦痛

まず、避難所生活経験のある高齢者の話に基づいて、避難所生活で高齢者が感じやすい「苦痛」について見ていきます。

食事(非常食)

実際に食べてみると分かりますが、市販の防災グッズ(非常時持ち出し袋)に入っている非常食のカンパンやクッキーは、私達が食べても固いと感じます。

非常食を固くて噛んだり飲み込んだりしにくいと感じる高齢者は少なくありません。

特に、歯が抜けている、顎の力が低下している、避難時に入れ歯を自宅に忘れてきたなどの事情があると、非常食を噛むことが難しいこともあります。

通常、避難所には定期または不定期に水が届けられます。

しかし、足腰の悪い高齢者の場合、自分で水を取りに行くことができません。

また、歩くことができても、他の家庭のスペースに入ることを遠慮してしまうこともあります。

多くの避難所で、すぐ近くに水があるのに飲むことができずに脱水症状を起こした高齢者のケースが報告されています。

トイレ(排泄)

避難所には簡易トイレが設置されますが、この簡易トイレを避難所生活の「苦痛」の一因として挙げる高齢者は少なくありません。

高齢者は、若者と比較するとトイレに行く回数が多いものですが、避難所に設置される簡易トイレはステップが高く、足を大きく上げて上り下りする必要があるため大きな負担を感じやすいものです。

昇り降りの最中に足を踏み外して転倒し、頭や身体を打つケガが後を絶たず、ケガの危険性もあります。

避難所生活を送る人が共同で簡易トイレを使用するため、短時間のうちに汚物があふれて異臭が漂うことも、苦痛の原因となっています。

また、自力移動ができないまたは不安がある場合、トイレの度に支援者が付き添うことになり、それを申し訳なく思ったり、恥ずかしく感じたりするもあります。

こうしたトイレに対する苦痛を感じ続けた結果、トイレの回数を減らすために食事や水分補給を控え、体調を崩す高齢者は少なくありません。

オムツ

要介護状態の高齢者の中には、オムツが必要な人もいます。

しかし、大勢の人がごった返す避難所の中で誰に相談して良いか分からず、また、排泄に関することを他人に相談するのを恥ずかしく感じ、結局、漏らしてしまう人がいます。

その他

避難所生活を経験した高齢者が感じた苦痛は、上記以外にもたくさんあります。

全てを紹介することはできませんが、もう少しだけ記載しておきます。

  • 避難所内の声や物音が気になって眠れなかった
  • 体調不良を相談する相手が分からず、結局、避難所内で倒れて救急搬送された
  • 補助器具(杖や補聴器など)がなく日常生活に支障が出ていたが、誰もかれも疲弊した表情なので相談しにくかった
  • 話し相手がいなくてつらかった
  • 足腰が悪く椅子に座りたかったが入手できず、床に座るのがしんどくて一日の大半を寝て過ごした
  • 避難所に到着するのが遅れ、人が密集した居心地の悪い場所しか確保できなかった

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避難所生活を送る高齢者の支援・ケア

避難所生活を送る高齢者を支援・ケアする方法について見ていきましょう。

避難所生活を送る高齢者の身体の支援・ケア

慣れない避難所生活を続けることで、高齢者の身体には様々な症状が現れます。

避難所生活を送る高齢者に現れやすい症状は、以下のとおりです。

  • 食欲がなくなる
  • 吐き気
  • 胃の痛み
  • 頭痛
  • 慢性的な倦怠感
  • 血圧の上昇または低下

持病がある人は悪化しやすく、要介護状態の人は残存能力が低下しやすい傾向があります。

 

効果的な支援方法は、できる限り被災前の自宅での生活に近い生活を送らせることです。

できる限り食事をとる、睡眠時間を十分に確保する、こまめにトイレに行く、常用薬は忘れずに飲むなど、被災前に近い生活リズムを維持するよう働きかけます。

特に、避難所生活を送る高齢者に起こりやすいエコノミークラス症候群(血栓症)や生活不活発病(廃用症候群)、脱水症状の予防のために、十分な水分補給と適度な運動を促しましょう。

また、手洗いやうがい、口腔ケアなど衛生面のケアも大切です。

要介護状態、ケガや病気の治療中、認知症を発症している、常用薬が切れたなど医療・介護・福祉分野の専門的な支援が必要な場合、避難所のスタッフに事情を説明し、対応を求めてください。

食事について

高齢者は、慣れない環境で食欲が低下したり、トイレを気にして食事を控えたりしがちです。

しかし、食事量が減って栄養が不足すると体調を崩しやすくなるため、しっかりと食べるよう働きかけることが大切です。

固い非常食を食べることが難しい場合、ゼリー飲料やアルファ米など高齢者が無理なく食べることができる非常食を食べさせるようにします。

防災グッズ(非常時持ち出し袋)に高齢者が食べやすい非常食を入れておくのが理想ですが、入れ忘れた場合は自治体の配給で入手します。

近年、高齢者に配慮した非常食を配給する自治体も増えているため、以前に比べると食事の固さ問題は解消されてきています。

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トイレを気にして水分補給を控える高齢者がいますが、脱水を起こす可能性が高くなり、非常に危険です。

高齢者が水を取りに行けないようなら代わりに取りに行き、トイレを気にするようなら「トイレには一緒に行きましょう。」などと声をかけて、高齢者が水分補給しやすいように配慮しましょう。

トイレ(排泄)

こまめに高齢者のもとを訪ねてトイレに誘うことが大切です。

一人では億劫であったり、負担を感じていたりしても、気心の知れた家族や支援者が一緒なら、幾分かでもトイレに行こうという気になることが多いものです。

オムツについても同様です。

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避難所生活における高齢者の心の支援・ケア

慣れない避難所生活は、高齢者の心にも大きなダメージを与えるため、心の支援・ケアも重要になります。

避難所生活を送る高齢者に現れやすい心の症状は、以下のとおりです。

  • 不安や心配による不眠
  • 興奮状態の持続
  • 情緒的な混乱
  • うつ症状
  • 生き残ったことへの罪悪感
  • PTSD(心的外傷後ストレス障害)

被災前から認知症やうつ病などがある高齢者の場合、症状が悪化する傾向があります。

心の不調は、体の不調に比べると表面化しにくく、気づくのが遅れて対応が後手に回りやすいものです。

 

支援方法としては、こまめに高齢者のもとを訪ねて話し相手になり、高齢者の話の内容や表情、態度などから状態を推測し、異常が認められる場合は、避難所のスタッフに相談してください。

避難所生活を送る高齢者は孤立しがちなため、一人で過ごす時間が長くならないよう配慮することも大切です。

個人で対応するには限界があるため、レクリエーションに参加させる、高齢者同士で関わる機会を設ける、一日に一度は散歩の時間を作るなど、高齢者が他人と交流する時間を作ってあげましょう。

ただし、高齢者に対する支援・ケアは、高齢者の意向や尊厳を尊重することを前提として行わなければなりません。

いくら状態が不安な高齢者がいたとしても、高齢者が自分の意思で支援を拒む場合、支援を強要することは避けてください。

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