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地震の二次災害とは?種類と具体例、対策は?一次災害との違いは?

地震 二次災害

大地震は、様々な二次災害を引き起こします。

阪神・淡路大震災で注目された通電火災や東日本大震災で起こった大津波などが代表的ですが、その他にも二次災害が起こって人的・物的に甚大な被害をもたらします。

大地震の揺れによる被害(一次災害)よりも、二次災害による被害の方が大きいケースも珍しくありません。

そのため、大地震の防災対策を考える場合、大地震だけに備えるのでは不十分で、二次災害に備えておくことも忘れてはなりません。

この記事では、大地震の二次災害の種類と具体例、二次災害対策について解説します。

大地震の二次災害

大地震の二次災害には、どのようなものがあるのでしょうか。

一次災害と二次災害の違い

基本ですが、一次災害と二次災害の定義について確認しておきます。

一次災害 ある災害によってもたらされる被害
二次災害 一次災害の発生を機に派生的または連鎖的に発生した災害によってもたらされる被害

大地震の二次災害

大地震によって起こる主な二次災害は、以下のとおりです。

  • 余震
  • 火災
  • 津波
  • ライフラインの断絶

いずれも人的・物的な被害が大きいものばかりですが、大地震発生時には、建物などの倒壊、地すべり、地盤の液状化などの一次災害と相まって、いくつもの二次災害が同時に起こることが多いものです。

この記事では、以下、大地震の二次災害について一つひとつ解説します。

大地震の二次災害:余震

余震とは、一連の地震活動のうち、本震の後に本震の近接地域で発生する地震です。

阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震などの大地震では、非常に多くの地震動(地震の揺れ)が発生しており、発生した時期によって3つに分類されます。

  • 前震:本震前に本震の近接地域で発生する地震
  • 本震:一連の地震活動で最大規模の地震
  • 余震:本震後に本震の近接地域で発生する地震

例えば、東日本大震災では、本震が発生した2011年3月11日から12月31日までの間に発生した余震は震度4以上の余震は225回に上ります。

余震の規模は本震よりも小さいことが多いですが、本震と同規模の地震が発生したり、頻繁かつ長期にわたって発生したりするため、本震ですでに大きな被害を受けた地域に、さらに深刻な被害をもたらします。

例えば、本震で半壊した建物が全壊したり、崩れかけた崖が余震によって崩れたり、液状化現象が悪化したりします。

規模

マグニチュードは本震より1程度小さくなることが多い

ただし、本震と同程度の地震が発生することもある

回数

数十回程度から1000回を超えるものまで様々

本震直後が多く、時間経過とともにある程度規則的に減少

収束 短いと数日、長いと数年~数百年

余震対策(備える方法)

  • 自宅被害を確認し、避難するか否かを決める
  • 避難しない場合は、室内に安全対策を施す
  • 自宅での安全な過ごし方に留意する
  • 余震情報をこまめに確認する
  • 避難場所と避難経路の確認
  • 防災グッズセットの確認

余震については、別の記事で詳しく解説しています。

余震とは?本震との違いと余震情報が出た時の対応は?

大地震の二次災害:火災

大地震発生時は、大規模な火災が発生します。

地震発生時の火災には、津波火災、工場火災、ガス火災、電気火災など様々なものがありますが、特に多いのが、電気火災(地震発生直後の火災と通電火災)です。

地震発生直後の火災 地震の揺れで電熱機器などが倒れたり、可燃物が作動中の電熱機器に接触したりして出火
通電火災(電気火災) 地震発生時に停電した後で電気が復旧し、転倒・可燃物に接触した電気機器に通電したり、破損したコードに通電したりするなどして出火

特に通電火災は、住民が避難した無人の住宅で起こるため初期消火が遅れ、火災が拡大してしまう傾向があります。

一次災害によって建物が倒壊して道路が破損するなどの状況で火災が発生すると、人的・物的被害が拡大してしまいます。

火災対策(備える方法)

避難前に、以下の行動をとることが火災対策となります。

【ガス】

  • ガス器具の電源を切る
  • ガスの元栓を切る

【電気】

  • 電気機器の電源を切り、電源プラグを切る
  • ブレーカーを切る
  • 感震ブレーカーを設置する

【その他】

  • 可燃物をガス機器や電気機器から遠ざける

緊急性を考慮してできる範囲で実行してください。

通電火災については、別の記事で詳しく解説しています。

通電火災(電気火災)とは?原因と事例、消化方法と予防は?

大地震の二次災害:津波

津波とは、地震や火山活動などで海底の地形が急変して起こる、巨大な波の伝播現象です。

津波の発生と伝播のメカニズムは、気象庁が分かりやすい図を作成しています。

津波 波高 速度

出典:気象庁|津波発生と伝播の仕組み

大地震が発生するとプレートや断層がずれ動き、海底が大きく隆起・沈降して周囲の海水が盛り上がるまたは沈み込み、巨大な波が発生して四方に広がります。

津波の早さ

水深が深いほど早く、水深が浅くなると遅くなる

ただし、人が走るよりも早いため、接近してからの避難は非常に危険

波の高さ 陸地に近づくほど高くなる
波の長さ 数百kmに及ぶこともある
海水量

膨大

津波は、膨大な海水量によって押し寄せた地域が水没する、引き波で被災地域のあらゆる物を引き込むなど、甚大な被害をもたらします。

20~30cmでも人を簡単に引き込み、50cmあれば車も引きこまれるところ、東日本大震災では20mを超える津波も観測されました。

津波の高さと被害の関係については、津波警報の発表基準等と情報文のあり方に関する検討会の「津波の高さと被害の関係(平成23年東北地方太平洋沖地震の事例より)」という資料が参考になります。

以下、同資料の概要を記載しています。

  • 港湾施設・港湾道路の冠水:沿岸での津波の高さは約70cm、海抜では約1.3mから発生
  • 人的被害:沿岸での津波の高さ約2mから発生(急増するのは4~5mから)
  • 住家床下浸水:沿岸での津波の高さ約1~2mから発生
  • 住家流失・全壊:沿岸での津波の高さ約3mから発生(急増するのは約5~6mから)
  • 船舶被害・漁業施設被害:沿岸での津波の高さ約数十cmから発生

東日本大震災の津波に関するデータではありますが、津波被害を考える上で意味のある情報です。

なお、上記のデータは沿岸での津波の高さであり、居住地まで津波が押し寄せた場合は、30cm程度でも人が簡単に引き込まれ、50cm程度で車が押し流されます。

津波対策【備える方法】

津波情報が発表された場合は、命を守るために、迅速かつ適切に避難行動を開始することが重要です。

避難時に留意すべき点は、以下のとおりです。

  • 海に近い地域に住んでいる場合、大地震発生時は、津波発生を想定して迅速かつ適切に避難準備・避難行動を開始する
  • できる限り高いところへ避難する
  • 津波注意報、津波警報、大津波警報が解除されるまで避難を続ける

津波注意報、津波警報、大津波警報とは?基準ととるべき行動は?

大地震の二次災害:ライフラインの断絶

ライフラインとは、水供給施設、電気・ガスなどエネルギー施設、交通施設、情報施設など生活に欠かせないインフラ設備のことです。

大地震により巨大な揺れが発生すると、ライフラインが破損して日常生活に大きな影響が及びます。

例えば、発電所や電線など電気施設の損壊によって停電が発生したり、上下水道の破損によって水の供給が断たれたり、ガス施設が爆発して周囲に大きな被害が出たりすることがあります。

また、道路や信号など交通施設が被害を受けて避難行動が困難になったり、通信基地が倒壊してインターネットが使用できなくなったりします。

ライフラインの断絶対策(備える方法)

防災の観点からは、ライフラインが断絶した場合に備えて、平時から飲料水や保存の効く食料などを備蓄しておくことが大切です。

備蓄品については、各家庭の家族構成・性別・年齢・健康状態・生活スタイルなどを考慮し、家族で話し合いながら準備してください。

備蓄品については、別の記事で詳しく解説しています。

災害時備蓄品とは?水や非常食の備蓄の目安から日常備蓄まで解説

【参考】