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災害指定病院とは?指定要件と災害発生時の役割は?

災害拠点病院 ヘリ

災害発生時の医療救護活動の要となるのが災害拠点病院です。

この記事では、災害拠点病院の概要、役割、指定要件について解説します。

災害指定病院とは

災害指定病院とは、市街発生時に災害医療を行う医療機関を支援する病院です。

災害拠点病院の根拠

1996年5月10日付けの厚生省健康政策局長通知「災害拠点病院整備事業の実施について(健政発第435号)」(以下「健政通知」という。)です。

災害拠点病院が設置される経緯

1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災を受け、同年4月に「阪神・淡路大震災を契機と下災害医療体制のあり方に関する研究会(厚生科学研究費補助金(健康政策調査研究事業)による研究班)」が研究成果を発表しました。

発表の中で、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、大規模災害発生時における患者の広域搬送、応急用機材の貸し出し、医療救護チームの派遣などが行える災害医療支援拠点病院を設置することが提言されました。

この提言を受けて、厚生省が、各都道府県知事に上記健政通知を発出し、大規模災害時には災害拠点病院が設置されることとなりました。

 

災害指定病院の役割

災害拠点病院は、知機内で災害が発生し、通常の医療体制では被災者に対する医療の確保が困難な状況下で、都道府県知事の要請を受けて、以下の活動を行います。

傷病者の収容場所の確保

傷病者の受入れ

医療救護班の派遣

救護活動に従事できる職員や可動できる設備や資器材による傷病者の救護活動

災害拠点病院施設の被害状況を把握し、救護状況を都道府県と所在地遺棄の医療対策拠点に連絡

2011年3月11日に発生した東日本大震災では、大きな被害を受けた沿岸部の災害拠点病院が被災地域からの傷病者を受け入れ、被害が少なくて済んだ地域の病院への搬送、内因性疾患への対応などを長期間にわたって行いました。

また、比較的被害が少なかった被災県内の災害拠点病院は、周辺地域からの救急患者の受入れ、沿岸部の病院からの患者の受け入れなどを行い、被災圏外の災害拠点病院は、広域医療搬送や被災県の近隣県への患者搬送の受入れ拠点として機能しました。

さらに被災地から離れた地域の災害拠点病院では、DMATなどの医療班の派遣、医療支援、物資提供などを長期にわたって行いました。

このように、大規模災害が発生した場合は、被災県内の災害拠点病院が被害状況などを踏まえて役割分担するだけでなく、被災圏外の災害拠点病院も医療救護活動などについて様々な役割を果たします。

 
 
 

災害拠点病院の指定要件

災害拠点病院の指定要件は、健政通知に運営、施設及び設備、搬送関係の3点が規定されています。

運営

  • 24時間緊急対応が可能であり、災害発生時に被災地内の傷病者などの受入れと搬出を行う体制がある
  • 災害発生時、被災地からの傷病者の受入れ拠点になれる
  • DMAT(災害派遣医療チーム)を保有して派遣体制も整備されている
  • 災害発生時には他の医療機関のDMATなどの支援を受け入れるための待機場所や対応担当者などの体制が整備されている
  • 救命救急センターまたは第二次救急医療機関である

  • 被災後、早期に診療機能を回復できるよう、業務継続計画が整備されている

  • 業務継続計画に基づいて、被災状況を想定した研修と訓練を実施する

  • 地域の第二次救急医療機関と地域医師会、日本赤十字社等の医療関係団体とともに定期的な訓練を実施している

  • 災害発生時に地域の医療機関への支援を行うための体制を整えている

  • ヘリコプター搬送時は、同乗医師を派遣できることが望ましい

施設及び設備

施設の要件は、以下のとおりです。

  • 病棟や診療棟など救急診療に必要な部門を設け、災害発生時の患者の多数発生に対応できる場所や備品の備蓄スペースを有することが望ましい
  • 診療施設が耐震構造を有し、病院機能維持に必要な全施設が耐震構造を有することが望ましい
  • 通常時の6割程度の発電容量のある自家発電機などを保有し、3日分程度の燃料を確保している
  • 平時より病院の基本的機能維持のために必要な設備について、自家発電機などから電源確保されている

     

  • 災害発生時に必要な水を確保できること

設備の要件は、以下のとおりです。

  • 衛星電話を保有し、衛星回線インターネットが利用できる
  • 複数の通信手段を保有する
  • EMIS(広域災害・救急医療情報システム)参加し、災害発生時に情報入力できる体制を整備
  • 災害発生時に多発する重篤救急患者の救命医療が可能な診療設備がある
  • 患者の多数発生時用の簡易ベッドがある
  • 被災地における自己完結型医療に対応できる携行式応急用医療資器材などの備蓄
  • トリアージ・タッグがある
  • 3日分程度の食料、飲料水、医薬品などを備蓄と、優先的に共有される体制の整備

搬送関係

  • 原則として、病院敷地内にヘリコプターの離着陸場がある

     

  • 原則として、DMATや医療チームの派遣に必要な緊急車輌を有する(車両内に応急用医療資器材などを搭載できる)

【参考】