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指定河川洪水予報とは?指定河川と地図、気象警報との関係は?

指定河川洪水予報

気象庁が発表する洪水に関する情報には、洪水注意報や洪水警報以外に指定河川洪水予報があります。

この記事では、指定河川洪水予報の概要、種類と発表基準、発表様式について解説します。

指定河川洪水予報とは

指定河川洪水予報とは、洪水発生のおそれや氾濫の広がりによる災害への警戒情報として、気象庁が国土交通省または都道府県と共同で発表される予報です。

洪水予報や共同洪水予報とも呼ばれます。

気象庁が洪水に関する予報として発表する一般向けの気象警報(洪水注意報や洪水警報)とは別に、地方自治体の水防活動の判断や住民の避難行動の参考とする目的で、あらかじめ指定した河川(洪水予報指定河川)について、区間を決めて水位や流量の情報が発表されます。

MEMO
  • 気象警報:気象庁が、自然現象やそれに伴う災害発生への注意・警戒を呼びかける目的で発表する予報で、気象注意報・気象警報・特別警報の3段階がある

気象警報については、別の記事で詳しく解説しています。

気象警報・気象注意報の種類と発表基準、特別警報との違いは?

洪水予報指定河川

洪水予報指定河川は、水防法第10条及び第11条に規定されています。

条文 内容
第10条
二以上の都府県の区域にわたる河川その他の流域面積が大きい河川で洪水により国民経済上重大な損害を生ずるおそれがあるものとして指定した河川について気象庁長官と共同して洪水のおそれがあるときは水位又は損害を生ずるおそれがあるものとして指定した河川(一級河川)
 
第11条
国土交通大臣が指定した河川以外の流域面積が大きい河川で洪水により相当な損害を生ずるおそれがあるものとして指定した河川(二級河川)

国土交通大臣が管理する全国109の水系と279河川(2010年3月31日時点)が指定されています。

発表者(通知者)

発表者は、河川の種類によって異なります。

河川の種類

発表者など

一級河川(水防法第10条)

発表者:国土交通省と気象庁が共同

二級河川(水防法第11条)

通知者:気象庁と都道府県が共同

いずれも、必要な場合には、報道機関に協力を求めて一般周知させることと規定されています。

対象河川と流域は、気象庁と河川管理者(国土交通省または都道府県)が調整して指定され、官報や都道府県公報などで発表されます。

報道機関や防災機関、住民などへの伝達は、気象庁と河川管理者が分担します。

指定河川洪水予報が通知(発表)されるまで

国土交通省または都道府県(河川管理者)が、指定河川の水位や水防施設の状況を地方気象台などに提供します。

情報提供を受けた地方気象台などは、提供された河川情報と、流域の今後の降水量予測などの気象情報を踏まえて、定期的に対象河川の水位と流量を予測します。

そして、一定の基準を満たす場合には、一級河川については気象庁と国土交通省が、二級河川については気象庁と都道府県が協議・調整の上、共同して指定河川洪水予報を発表します。

指定河川洪水予報を知る方法

指定河川洪水予報は、気象台から都道府県を経由して市区町村へ伝わります。

一般住民に対しては、ニュース報道などを通して伝わる他、一部の自治体ではメール配信サービスによる伝達も行われています。

指定河川洪水予報の種類と発表基準

指定河川洪水予報には、はん濫注意情報、はん濫警戒情報、はん濫危険情報、はん濫発生情報の4種類があります。

指定河川洪水予報の種類と発表基準(水位)については、国土交通省の図が分かりやすいでしょう。

指定河川洪水予報

出典:河川の洪水予報と水位の関係‐国土交通省 川の防災情報

指定河川洪水予報で発表される情報に対応する水位の説明は、以下のとおりです。

はん濫注意水位(レベル2) 河川はん濫発生を注意する水位
避難判断水位(レベル3) 市町村が避難情報が発表する目安の水位
はん濫危険水位(レベル4)

河川がはん濫するおそれのある水位

安全に避難するために避難開始すべき水位

はん濫注意情報

はん濫注意情報とは、はん濫注意水位(レベル2)に到達し、さらに水位の上昇が予想される場合に発表される予報です。

河川氾濫の発生に注意を求めるために発表されます。

はん濫注意情報が発表されたら、防災アプリの通知や天気予報をこまめに確認し、河川の状況に注意しておきます。

はん濫警戒情報

はん濫警戒情報とは、一定時間経過後にはん濫危険水位(レベル4)に到達することが予想される場合や、避難判断水位(レベル3)に到達してさらなる水位上昇が予想される場合に発表される予報です。

市区町村が発令する避難情報の「避難準備・高齢者等避難開始」に相当するレベルであり、高齢者など避難に支援や時間を要する人は避難を開始し、それ以外の人は気象情報などに注意しながら避難準備を開始します。

はん濫危険情報

はん濫危険情報とは、氾濫危険水位(レベル4)に到達した場合に発表される予報です。

いつ河川氾濫が発生してもおかしくない状態で、市区町村が発令する避難情報では「避難勧告」に相当するレベルであり、迅速に避難を開始する必要があります。

はん濫発生情報

はん濫発生情報とは、実際にはん濫が発生した場合に発表される情報です。

推移と流量の予報に加え、浸水する区域及びその水深の予報が合わせて発表されます。

住んでいる地域の河川が氾濫した状態であり、気象情報などで氾濫状況をこまめに確認し、適切な判断と行動をしなければなりません。

指定河川洪水予報で発表される内容

指定河川洪水予報で発表される内容は、以下のとおりです。

項目 記載事項
表題

河川名+洪水予報の種類

例:〇〇川氾濫注意情報

見出し

最も警戒すべき事項

例:〇〇川では、氾濫危険水位(レベル4)に到達する見込み

本文

観測所ごとに危険度レベルや今後の見通し

水位のあるレベルへの到達が予想される日時、被害を受けるおそれのある市区町村など

雨量 流域の平均雨量の現況と今後の見通し
水位 観測所ごとの現況と今後の予測
参考 観測所ごとの基準水位など

【参考】