防災の基礎知識

停電に備える!停電の原因と影響、停電対策の防災グッズは?

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停電したら 防災 対策 台風

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停電は、自然災害(台風、豪雨、豪雪など)や設備のトラブル(架線の切断など)などが原因で、一年中いつでも発生するおそれがあります。

停電すると、テレビやエアコンなどの家電製品が使えなくなって不便さを感じるだけでなく、通信の障害や制限、断水や交通の混乱など至るところで問題が発生します。

突然の停電に焦らず適切に対応するには、普段から「住んでいる地域で停電が起こるかもしれない。」と想定して停電に備えておくことが大切です。

この記事では、停電の原因と影響、家庭でできる停電対策について紹介します。

停電の原因

停電とは、何らかの原因で電力の供給が止まることです。

停電の原因としては、自然災害や送電線の切断などを思い浮かべる人が多いですが、電力会社の判断で停電になることもあります。

トラブルによる停電 災害
ヒューマンエラーによる事故
系統崩壊(電力系統の崩壊)
電力会社による停電 計画停電
緊急停電

停電が起こる主な原因について、一つひとつ確認しておきましょう。

停電の原因:災害

災害によって送電線が切断されたり、発電所の設備が故障したりすることによって停電が起こることがあります。

停電を発生させるおそれのある災害は、台風、豪雨(大雨)、大雪、暴風雪、地震、雷、火事、津波などです。

大きな地震などの大規模災害が発生すると、地域内の全発電機が電気系統から離れて広範囲で停電する「ブラックアウト(全系崩壊)」が引き起こされる恐れもあります。

災害による停電(ブラックアウト)の具体例

大規模災害が原因で停電(ブラックアウト)が発生した事例としては、2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震による停電を挙げることができます。

地震の深さはマグニチュード6.7、震源の深さは37km、最大深度7の大地震が発生したことにより、北海道全域の約295万戸で停電が発生しました。

停電の原因:ヒューマンエラーによる事故

災害による停電と比較すると稀ですが、ヒューマンエラーが原因の停電も発生しています。

過去には、自動車が電柱に衝突して電柱を倒したり、飛行機が送電線に接触して断線させたりする事故などで停電が発生しています。

事故による停電の具体例

事故による停電として有名なのが、2006年8月14日に発生した首都圏停電です。

建設会社のクレーン船のクレーンブームが送電線に接触し、発生した地路放電アークで送電線が溶断されたことにより、東京都、神奈川県、千葉県の1都2県の合計139.1万戸で停電が発生しました。

停電の原因:系統崩壊(電力系統の崩壊)

電力系統とは、電力を各家庭へ供給するための発電、変電、送電、配電を統合したシステムのことです。

発電 他のエネルギーを電気に変換させること
変電 電圧の調整や周波数の変換など、電気の変換や調整をすること
送電 発電した電力を配電網へ供給すること
配電  電力を各家庭へ供給すること

日本では、電力会社10社が電力系統を持ち、ある発電所や変電所でトラブルが発生して電力供給が遮断されたとしても、バックアップルートから供給される仕組みが整えられています。

ただし、バックアップルートから供給される送電量が送電網のキャパシティを上回った場合、送電網が遮断されてしまいます。

そして、さらに別のバックアップルートからの供給が始まりますが、最初のバックアップよりも多く送電されて別の送電網も遮断します。

  1. Aルートの電力供給が遮断
  2. BルートからAルートのバックアップで送電開始
  3. 送電量がa送電網のキャパシティを上回り、a送電網が遮断
  4. CルートからAルートとBルートのバックアップで送電開始
  5. 送電量がb送電網のキャパシティを上回り、b送電網が遮断
  6. 以降、バックアップ供給と送電網の遮断が繰り返す

これが系統崩壊による停電です。

つまり、バックアップルートからの電力供給と送電網の遮断が繰り返されることで停電箇所が拡大していくのです。

系統崩壊による停電の具体例

2003年8月14日に発生した北アメリカ大停電は、系統崩壊による停電の代表的な例です。

送電管理システムがダウンしたことを機に傾倒崩壊が起こり、アメリカ合衆国の7州とカナダの1州に住む約5000万人が停電の被害を受けました。

停電の原因:計画停電

計画停電とは、系統崩壊による停電が発生することを防ぐ目的で、一定区域ごとに電力供給を停止・再開させることです。

電力の需要が電力の供給量を上回ると系統崩壊による大停電が発生するおそれがあるため、電力の需給のバランスを維持するために計画停電が行われるのです。

正式名称は輪番停電ですが、東日本大震災の影響で実施されたときにマスコミが計画停電という名称を使用したため、計画停電の方が一般的な呼び方になりました。

計画停電の具体例

2011年3月11日に発生した東日本大震災のときに行われた計画停電を覚えている人は多いでしょう。

東日本大震災の発生直後、東北電力管内(青森県、岩手県、秋田県の全域と、福島県の一部)の合計440万戸と、東京電力管内(茨城県全域など)の404.6万戸が停電しました。

地震の影響で、東京電力が保有する複数の発電所が停止して電力供給量が低下したため、東京電力管内では3月28日まで計画停電が実施されました。

停電の原因:緊急停電

電力会社は、計画停電とは別に緊急に停電を実施することがあります。

例えば、自然災害による停電を回避するための作業を行ったり、送電線の鉄塔に上った人の安全に配慮したりする目的で、急きょ停電を起こすことがあるのです。

計画停電と異なり、事前に通知されません。

停電の影響

停電は、私たちの日常生活に大きな影響を及ぼします。

  • 交通が混乱する
  • 家電製品が使えなくなる
  • 上下水道が断水する
  • パソコンのデータが消失する
  • コンセントで充電ができなくなる
  • 多機能電話やFAXが使用できなくなる

停電の影響:交通が混乱する

停電が発生すると、停電区域内の信号機に電力が供給されなくなります。

信号が機能しなくなった交差点などには警察官が駆け付けて交通整理を行いますが、交通網の混乱が生じます。

JRなどの鉄道会社は停電時の備えとして発電機を保有しています。

しかし、平時の運行を継続できるだけの電力は確保できないため、運休区間や運休路線を設けて対応することになり、やはり混乱が生じることになります。

停電の影響:家電製品が使えなくなる

停電が発生すると家電製品が使用できなくなります。

災害や避難の情報収集のために大切なテレビが映らなくなり、エアコン、冷蔵庫、洗濯機などの大型家電は停止して、照明も消えます。

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その結果、夜になると室内が見えにくくなり、冷蔵庫に入れていた食材は痛み、室内の温度調節もできなくなり、洗濯や食材の温めなども自力で行わなければならなくなるなど、ストレスの多い生活を強いられることになります。

なお、アイロンや電気ストーブを使用中に停電が発生し、コンセントを抜かないままにしておくと、通電が再開されたときに火災が発生する危険があります。

停電の影響:上下水道が断水する

浄水場などでは電動ポンプで水のくみ上げ作業を行っているため、停電によりポンプが停止し、家庭への水の供給がストップすることがあります。

また、都市部の高層ビルやマンションなどは、揚水ポンプを使用して屋上などに設置された貯水タンクに水を上げています。

停電によって揚水ポンプが止まり、時間の経過とともに貯水タンクの水量が不足すると、断水して水道から水が出なくなったり、トイレの水が使用できなくなったりします。

停電の影響:パソコンのデータが消失する

停電すると、電気の供給が停止するとともに電圧が少し変化します。

そのため、パソコン作業中に停電が発生した場合、電圧の変化の影響を受けてパソコン内のデータが消失するおそれがあります。

バックアップがない場合、停電で消失したデータを復旧することは困難です。

停電の影響:コンセントで充電ができなくなる

停電して電力の供給が停止すると、コンセントから充電することもできなくなります。

特に困るのが、スマホの充電です。

スマホは、防災アプリやSNS、メールなど災害発生時の情報収集や連絡に欠かせないものが詰まったツールですが、バッテリーの持ちが悪いという課題を抱えています。

スマホの充電器を持っていれば問題ありませんが、持っていない場合はバッテリーが切れを心配しながら情報収集などを行わなければならなくなります。

停電の影響:多機能電話やFAXが使用できなくなる

多機能電話やFAXなど電源が必要な通信機器も使用できなくなります。

電話についてはスマホで代用できますが、すでに書いたとおりバッテリーの問題があるため、バッテリー消費を気にしながら使わなければなりません。

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停電対策

停電が発生すると、日常生活の中で当たり前に使用していた物が使用できなくなり、不便さを感じて過ごさなくてはなりません。

また、台風や地震などの災害が原因で停電になった場合、情報収集が難しくなったり避難のタイミングを逃したりして、被害が拡大するおそれがあります。

そのため、冒頭に書いたとおり、平時から停電対策をして備えることが大切です。

停電対策:暗闇でも見える道しるべを作っておく

夜間に停電すると暗闇で何も見えなくなります。

準備していた照明器具を取りに行こうにも、辿り着くまでに壁に衝突したり、段差につまづいて転倒したり、階段を踏み外して転落したりするおそれがあります。

そのため、部屋の出入り口、家具の角、階段などに蛍光テープを貼っておくと、暗闇の中を移動するときの道しるべになります。

また、照明器具など停電時に使用する防災グッズにも貼っておくと、便利です。

停電対策:防災アプリをダウンロードしておく

防災アプリとは、防災気象情報や避難情報などが配信されるアプリです。

テレビやラジオでは都道府県単位や市単位など比較的広範囲の情報が伝えられますが、「自分たちの住んでいる地域の状態はどうなのか。」について分かりにくいものです。

防災アプリには、住んでいる地域を登録しておけば、その地域に関する情報がタイムリーに配信されるものがあり、避難開始などの判断を適切かつ迅速にすることができます。

事前にダウンロードして地域設定を済ませるとともに、いざというときに使いこなせるよう操作しておきましょう。

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停電対策:防災グッズの準備

停電時は、平時に使用していた家電などが使えなくなるため、代用できる物を防災グッズとして揃えておく必要があります。

停電用防災グッズ:照明

停電により電気を使用する照明器具が使用できなくなります。

そのため、電池式の懐中電灯やランタンを乾電池と一緒に備えておきましょう。

ロウソクを備えておく方法もありますが、地震による停電の場合、余震でロウソクが倒れて火災を招くおそれがあるため、使用しないでください。

停電用防災グッズ:充電器

スマホを継続して使用するには、充電器の準備が欠かせません。

スマホの充電器と聞くとモバイルバッテリーを思い浮かべる人が多いですが、他にも種類があり、それぞれメリットとデメリットが異なります。

種類 メリット デメリット
乾電池式充電器

スマホ以外に使用可

充電中のスマホ操作可

電池のみで使用可

長期保管可

本体が小型で安い

電池がないと使用不可

容量が小さい

 

モバイルバッテリー

フル充電可能

充電中のスマホ操作可

(スマホ以外に使用可)

充電しておかないと使用不可

重い

自然放電する

手回し発電機

本体のみで使用可

長期保管可

充電に時間と労力がかかる

大きい音が出る

携帯型ソーラーパネル

晴天時に安定的充電可

長期保管可

晴天時以外や屋外で使用不可

充電に時間がかかる

出典:防災ノート

基本的には、乾電池式充電池(乾電池と一緒に準備)とモバイルバッテリーを1つずつ備えておくと安心です。

なお、防災グッズとして手回し発電機や携帯型ソーラーパネルを勧めているサイトを見かけます。

しかし、実際に避難生活を送る中で使用すると分かりますが、手回し充電器は、充電にかかる労力が重い負担になります。

スマホを充電しようと思うと長い時間回し続けなければならず、被災して心も体も疲れている状態での使用には向きません。

また、携帯型ソーラーパネルは、晴れの日限定な上に充電に時間がかかり、1日かけても100%充電できないことがあります。

停電用防災グッズ:非常食

停電時には冷蔵庫、電子レンジ、オーブン、炊飯器などの電化製品が使用できなくなります。

また、防災グッズとして証明を準備したとしても、包丁などを使って料理するとケガをする危険が高いものです。

そのため、電気や調理器具を使わず食べることができる、アルファ米を使用した非常食や缶詰などを準備しておくことが大切です。

停電用防災グッズ:水

停電で断水した場合、飲み水の確保が問題となります。

防災用の水を備蓄しておくのが基本ですが、浄水器を備えておく方法もあります。

携帯用の水筒型浄水器であれば、避難する必要が生じた場合も手軽に持ち出すことができますし、汚水をきれいな水にして飲むことができるため、水の確保のハードルも下がります。

停電用防災グッズ:体温調節用グッズ

停電すると、エアコンや電気ストーブなどが使用できなくなるため、体温を調節するための防災グッズも備えておきたいものです。

身体を温める 石油ストーブ、防災アルミブランケット、使い捨てカイロなど
身体を冷やす 熱さまシート、瞬間冷却材など

停電用防災グッズ:携帯式トイレ

停電で断水すると、トイレの水を流すことができなくなります。

使い捨てタイプの携帯式トイレを準備しておけば、通電が再開するまでの間に用を足すときに使用できます。

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【参考】

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