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台風による災害被害は大雨、暴風、高潮?台風で停電した場合の対応は?

台風 被害

台風は、毎年、夏から秋にかけて日本列島に上陸し、大きな人的・物的被害をもたらします。

人為的に台風の発生を予防したり進路を変えたりすることはできないため、台風に備えて防災・減災を徹底するしかありません。

台風に備えるには、まず、台風によってどのような災害被害が発生するおそれがあるかについて、理解しておく必要があります。

この記事では、台風による災害被害の内容について紹介します。

台風による災害被害

台風によってもたらされる主な災害は、以下の3つです。

  • 大雨(河川氾濫、内水氾濫、住宅浸水、土砂災害)
  • 暴風・強風
  • 高潮

大雨、暴風・強風、高潮災害とその被害について詳しく見ていきましょう。

台風による災害被害1:大雨

台風による災害被害の1つ目は、大雨です。

特に、台風の進行方向より右側の地域では、台風の影響による南よりの暖かく湿った空気が押し寄せます。

暖かく湿った空気は、山などの斜面にぶつかって上空に移動し、雨雲を発達させて強い雨を降らせます。

また、前線が停滞している状況で台風が発生した場合、台風の影響で暖かく湿った空気が停滞前線へ流れ込み、前線の活動を活性化させることによって、前線周辺に強い雨が降ります。

注意したいのは、台風が停滞前線から離れていても、前線付近では大量の雨が降って大きな人的・物的被害が出やすいことです。

例えば、前線が日本海から東北地方にかけてあり、台風が日本列島に上陸する前という状況でも、台風の影響で前線付近に大量の雨が降ることがあります。

台風による大雨が怖いのは、大雨それ自体よりも、河川の増水・氾濫、内水氾濫、住宅浸水、土石流・地すべり・がけ崩れなどの土砂災害を引き起こし、甚大な被害をもたらすことです。

河川の増水・氾濫

河川氾濫とは、大雨の影響で河川の水位が上昇し、堤防の高さを越えたり、堤防が決壊したりして水が勢いよく溢れ出す現象です。

台風の影響で大量の雨が降ることで、河川氾濫のリスクが高くなります。

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内水氾濫

内水氾濫とは、大雨(豪雨)の影響により雨量が排水量を上回ることで水はけが悪くなり、土地、建物、道路などが水浸しになる現象です。

道路が舗装されている日本の都市部では、雨水が地面に浸透しにくいため、大雨が降り続くと比較的すぐに内水氾濫が起こりやすいものです。

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住宅浸水

河川氾濫や内水氾濫の結果として起こるのが、住宅浸水です。

道路が冠水して玄関や勝手口などから水が浸入する場合と、排水溝の中を水が逆流して家の中に浸入する場合があり、いずれも住宅に深刻な被害をもたらします。

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土砂災害

土砂災害とは、大雨や地震などにより、水と一緒に土砂が流れ出たり、山やがけが崩れたりする災害です。

主な土砂災害は、山崩れ、地すべり、がけ崩れ、土石流、鉄砲水です。

山崩れ 山腹や川底の石や土砂が、時速20~40km程度で下流へ押し流される現象
地すべり 斜面の一部または全部がゆっくりと下方へ移動する現象
がけ崩れ 急斜面やがけの地表に近い部分が緩んで崩れ落ちる現象
土石流 土砂が水と混ざって河川などに流れ込む現象
鉄砲水 突然、堰を切ったように急激に水が噴き出す現象

台風の影響で大量の雨が降ることで土砂災害が発生すると、一瞬のうちに甚大な人的・物的被害が発生します。

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台風による災害被害2:暴風・強風

台風の進行方向の右側の地域では、台風の移動による風と台風自身の反時計回りの風が一致するため、強い風が吹き荒れます。

また、台風が巻き起こす風は、通常の風と同様に地形の影響を受けて強さが大きく変化します。

例えば、街中では、高層ビルの間に「ビル風」と呼ばれる強風が吹き荒れ、トンネルの出口や橋の上などでも強い風が吹きます。

また、山の尾根や谷、海の岬や海峡などでも地形の影響を受けて強い風が吹きます。

海岸部は塩風害に要注意

台風の接近による強風が海から陸地へ向けて吹き、大量の塩の粒子が陸地へ吹き飛ばされてきます。

その結果、停電が起こったり、農作物が枯れたりする塩風害が起こります。

塩風害は、海岸部で起こることが多いものですが、風の強さや地形などの影響により、海岸から数十km離れた場所でも発生することもあります。

長年海岸付近で生活してきた人は、培ってきた塩風害対策によって被害を最小限に食い止められますが、海岸から離れた地域では思わぬ塩風害に困惑し、途方に暮れることが少なくありません。

台風の目(中心部)の通過後も要注意

吹き返しの風とは、台風目(中心部)の通過後に、通過時とは異なる方向から吹く強風です。

台風は反時計回りに回転しながら移動しているので、ある地域への進入時に南側よりの強い風が吹いていた場合、台風の目(中心部)が通過した後は、反対側(北側)よりの風が吹くことになります。

台風の風は進行方向の右側が強いため、そこを過ぎると一安心することが多いものですが、吹き返しの風による被害も例年少なくないため、十分に注意しておく必要があります。

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台風による災害被害3:高潮

高潮とは、台風や低気圧が海面上を通過する時に、潮位(海面の高さ)が急激に上昇する現象です。

台風の影響による吸い上げ効果と吸い寄せ効果で高潮が発生し、海岸付近に被害をもたらすことがあります。

特に、台風が、陸地に入り込んだ湾内の西側を通過する場合や、台風の通過と満潮時刻が重なった場合に被害が大きくなる傾向があります。

  • 吸い上げ効果:台風中心部の気圧が周囲より低いことで、海面を押す力が弱くなって潮位(海面)が高くなる現象
  • 吹き寄せ効果:台風による強風が沖から海岸へ向かって吹くことで、海水が海岸に吹き寄せられて海岸付近の海面が上昇する現象

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台風によって停電が発生した場合

台風によって電線が断線したり、発電所の設備が損傷したりすることにより、停電が発生することがあります。

停電が発生すると、家の中で過ごすにしても避難するにしてもハードルが高くなるため、事前に十分に備えておくことが大切になります。

台風などの災害による停電の特徴

電気の使い過ぎによる停電の場合、ブレーカーを操作することで停電を復旧させることができます。

しかし、台風などの災害の影響で停電した場合、原因が電線や発電所の設備など家庭の外にあるため、個人の対応で停電が復旧させることができません。

また、発電所などの損傷が著しい場合、ブラックアウト(地域内の全発電機が電気系統から離れて広範囲で停電する現象)が起こり、復旧するまでの時間が長くかかることがあります。

停電の備え

停電が発生すると、交通網の麻痺、家電製品の使用不可、上下水道の断水、パソコンデータの消失など生活に大きな影響が出ます。

そのため、平時から以以下の備えをしておくことが大切です。

  • 停電時の道しるべを作っておく
  • 防災アプリのダウンロード
  • 防災グッズの準備

停電時の道しるべは、テーブルの角や部屋の出入り口の取っ手などに蛍光テープを貼る方法が有効かつ経済的です。

防災アプリは、災害関連情報を効率的に入手できるアプリなので、1つはスマホにダウンロードしておきましょう。

防災グッズについては、一般的な防災グッズセットを準備していれば足りますが、寒い季節には防寒用品、暑い季節には熱中症対策用品を備えておくと安心です。

停電が発生した時の対応

停電が発生したら、以下の順番で行動します。

  1. 停電した場所を確認する:自宅以外に近隣一帯が停電していれば、台風などの災害による停電の可能性が高い
  2. 家電の電源を切り、プラグをコンセントから抜く:停電復旧時の火事を防ぐため
  3. 停電が復旧するまで待つ:災害関連情報はこまめにチェックしておく
  4. 必要に応じて避難する

避難する場合、断線した電線や停止した信号機などに注意を払う必要があります。

停電発生時の対応については、関連記事で詳しく紹介しています。

 

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