台風

台風とは何か?定義は?ハリケーンやサイクロンとの違いは?

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台風 定義 ハリケーン サイクロン 違い

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毎年、夏から秋にかけて日本列島には台風が上陸し、強い風と雨によって人的・物的被害をもたらしますが、台風がどこでどのようなメカニズムで発生し、どうして日本列島によくやって来るのか、どのような被害をもたらすのかなどを正しく理解している人はあまり多くありません。

また、外国でハリケーンやサイクロンという自然災害が発生したというニュースをよく見聞きしますが、台風とハリケーン・サイクロンとの違いを理解している人も少ないものです。

しかし、防災を考える上では、台風について正しく理解して、その特性に応じた予防や対策を行うことが重要になります。

この記事では、台風の定義、発生から消滅までの過程や経路、大きさや強さの表示について紹介します。

台風の定義とは

台風とは、熱帯(低緯度地域)の海上で発生した熱帯低気圧のうち、①北西太平洋もしくは南シナ海上に存在し、②低気圧域内の最大平均風速が17メートル/秒(34ノット、風速8)を超える巨大な空気の渦です。

台風の定義に登場する単語の意味について詳しく見てみましょう。

熱帯低気圧とは

熱帯低気圧とは、熱帯や亜熱帯(低緯度地域)の海上で発生する低気圧です。

低気圧とは、周囲よりも気圧(大気の圧力)が低い部分のことで、通過する地域に雨や風をもたらします。

熱帯低気圧は、暖気のみで前線を伴わず、最大風速が増加しやすく、低圧部の範囲が下層から上層まで広いという特徴があり、それによって通常の低気圧よりも強い雨と風を伴い、大きな被害をもたらすしやすいものです。

北西太平洋、南シナ海とは

北西太平洋とは、太平洋のうち、赤道より北側で東経180度より西部に位置する、日本、中国、韓国、ロシア、東南アジア諸国が取り囲む領域です。

南シナ海とは、太平洋の西部に位置する、中国、台湾、タイ、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、ベトナム、カンボジアに囲まれた領域です。

平均風速(風速)とは

平均風速(風速)とは、観測時間10分間に空気が移動した距離のことです。

風は目に見えないので、空気が一定時間内に移動した距離を風速計で観測することになります。

平均風速のうち最大値を最大平均風速(最大風速)と言います。

風速は、地表からの高さや地形の影響を受けやすいため、平坦な地形が広がる場所で地表から約10メートルの高さで観測します。

台風の大きさや強さ

台風の勢力は、大きさと強さでその目安を表現することになっています。

台風の大きさと、風速15メートル/秒以上の風が吹いている、もしくは吹く可能性がある範囲(強風域)の半径で表示します。

また、台風の強さは最大風速で表示します。

台風の大きさ(気象予報における表現)

  • 大型(大きい):強風域の半径が500km以上800km未満
  • 超大型:強風域の半径が800km以上

台風の大きさが500km未満の場合は、台風の大きさを表示しないことになっています。

台風の強さ(気象予報における表現)

  • 強い:33メートル/秒以上44メートル/秒未満
  • 非常に強い:44メートル/秒以上54メートル/秒未満
  • 猛烈な:55メートル/秒以上

風速が33メートル/秒未満の場合は、台風の強さを表示しないことになっています。

台風の発生から消滅まで

台風がどこで発生し、どのように移動して、どこで消滅するのかを見ていきます。

台風が発生する地域

台風が発生するのは、熱帯や亜熱帯(低緯度地域)です。

中でも、他の地域に比べて海水の温度が高くて雲も多い北緯5度から20度の熱帯地域で発生しやすくなっています。

台風が発生するメカニズム

台風が発生するメカニズムは、以下のとおりです。

  1. 熱帯の海上に空気の渦が発生する
  2. 空気の渦の中心に向かって水蒸気をたくさん含んだ空気が流れ込む
  3. 上昇気流が発生する
  4. 雲が発生・発達して積乱雲になる
  5. 4.の過程で水蒸気は水(雨)に変わる
  6. 4.の過程で大量の熱が放出され、周囲の空気を温めて上昇気流が強くなる
  7. 4.~6.の過程が何度も起こることで大きな渦ができる(熱帯低気圧の発生)
  8. さらに熱帯低気圧が発達して台風になる

熱帯低気圧が発生するには、海から放出された大量の水蒸気を含んだ空気が必要になります。

そのため、熱帯であっても陸地では熱帯低気圧が発生することはありません。

台風の構造

台風は、巨大な空気の渦巻きで、大きなものだと約15キロメートルに達します。

台風の下層では空気が反時計回りに台風の中心に吹き込みながら上昇しており、上層では吹き込んだ空気が時計回りに吹きだしています。

台風の中心には台風の目(台風眼)という部分があり、風が弱く雲も切れています。

台風の移動

台風は、上空の風と地球の自転の影響を受けて移動します。

低緯度地域では、上空の東風と地球の自転の影響を受けてゆっくりと北上し、中緯度・高緯度地域まで来ると、偏西風(強い西風)の影響を受けて速度を増し、北東へ移動していきます。

移動中も海面から放出される水蒸気によって発達を続け、中心気圧が下がって、中心付近の風速もグンと強くなっていきます。

台風の消滅

台風は、海面の水温が熱帯地域よりも低い領域(日本付近など)まで来ると、勢力を維持するだけの水蒸気を海面から得られなくなり、熱帯低気圧や温帯低気圧に変わります。

これが台風の消滅です。

台風による被害

台風による主な被害は、以下のとおりです。

  • 大雨による河川の氾濫、家屋の浸水、田畑の冠水、がけ崩れ、土石流
  • 高波による堤防の損壊、崩壊、住宅の倒壊
  • 強風や防風による建物の倒壊、高所からの転落、転倒
  • 飛来物によるケガや事故

中でも多いのが強風や防風による被害です。

特に、転落や転倒、飛来物に当たって死傷する被害は、台風が日本に上陸する度に発生しています。

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台風とタイフーン、サイクロン、ハリケーンの違い

台風との違いが分かりにくいと言われる現象にタイフーン、サイクロン、ハリケーンがあります。

台風とタイフーン(typhoon)の違い

タイフーンとは、熱帯低気圧のうち、1分間の最大平均風速が33メートル/秒のものです。

台風もタイフーンも同じ熱帯低気圧ですが、台風が日本で基準が定められたものなのに対して、タイフーンは国際的に基準が定められたものという違いがあります。

ただし、日本では台風とタイフーンを区別せずに使用している人が多いものです。

台風とサイクロン(Cyclone)の違い

サイクロンとは、インド洋もしくは太平洋南部で発生した熱帯低気圧です。

台風もサイクロンも同じ熱帯低気圧ですが、発生した地域が違います。

台風とハリケーンの違い

ハリケーンとは、大西洋もしくは太平洋北東部・北中部で発生した熱帯低気圧です。

台風もハリケーンも同じ熱帯低気圧ですが、発生した地域が違います。

台風の豆知識

最後に、台風に関する豆知識を紹介ます。

  • 台風の番号
  • 台風の名前

台風の豆知識1:台風の番号

気象庁は、毎年、台風が発生した順に番号をつけています。

ある年の1月1日以降に最初に発生した台風が第1号、その後は第2号、第3号と順番に番号をつけていきます。

ある年のある時期に発生した台風の名称は、台風が発生した年と番号で表示します。

例えば、2016年に9番目に発生した台風であれば、「平成28年台風第9号」となります。

なお、台風が温帯低気圧になった後、再び勢力を盛り返して台風になった場合は、前と同じ番号をつける決まりがあります。

台風の豆知識2:台風の名前

以前は、アメリカ合衆国が、ハリケーンなどと同じように台風にも人の名前を付けていました。

しかし、2000年以降は、台風委員会(台風防災を目的として、アメリカ合衆国と日本を含む14か国が参加する組織)が、北西太平洋もしくは南シナ海で発生した台風に名前を付けるようになっています。

平成12年台風第1号が「ダムレイ(カンボジア語でゾウ)」と名づけられたのが最初で、その後、台風が発生した順に、委員会があらかじめ決めた140個の名前を順番につけていき、141番目からはダムレイに戻ることになっています。

ただし、大きな人的・物的被害をもたらした台風などは、委員会加盟国の要請で再使用しないこともあります。

なお、日本において甚大な人的・物的被害をもたらした台風については、気象庁が個別に名前を付けることもあります。

ただし、気象庁が最後に日本固有の名前を付けたのは1977年の沖伊良部台風(昭和52年台風第9号、国際名はBabe)で、それ以降は年と番号で表記するか国際名が使用されています。

参考:気象庁|台風について

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