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災害時の障害者支援!視覚障害や聴覚障害がある人への対応は?

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視覚障害 聴覚障害

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災害発生時は、近くにいる人同士が助け合うことが何より大切です。

心や身体に障害を抱えている人は、状況把握や情報収集、避難所までの移動、円滑なコミュニケーションなどが難しいことがあり、周囲の人が積極的に支援することが求められます。

しかし、一口に障害と言っても、視覚障害、聴覚障害、知的障害、発達障害、失語症、精神障害などたくさんの障害がありますし、障害の程度にも差があるため、必要な支援は一人ひとり異なります。

災害発生時、どのような障害がある人を、どのように支援するのでしょうか?

この記事では、災害発生時の障害者支援のうち、視覚障害や聴覚障害がある人の支援について紹介します。

災害時の障害者支援:視覚障害者

視覚障害がある人は、目から情報を受け取ることが難しく、歩行も困難が伴います。

日本国内の視覚障害者は約31万5千人で、身体障碍者全体の約90%を占めています。

「視覚障害=全く見えない」、「視覚障碍者は全員点字が読める」は誤解

「視覚障害=全く見えない」と思い込んでいる人がいますが、誤解です。

統計上、視覚障害がある人のうち全盲(全く見えない)は全体の約10%で、残りの約90%は弱視(見えにくい)です。

また、点字識字率は約13%で、視覚障害がある人が全員点字を読めるわけではありません。

視覚障害がある人の支援は、全盲か弱視か、見え方はどうか(弱視の場合)、本人のニーズなどによって異なります。

視覚障害者が災害時に困ること

視覚障害がある人は、テレビや掲示物などの画像・映像・文字による情報を受け取ることが難しい、もしくは時間がかかります。

また、周囲の状況が見えない、もしくは見えにくく、適切な判断や避難行動が遅れることがあります。

歩き慣れた場所であっても、散乱物や障害物が見えない、もしくは見えにくく単独での移動が困難になることも珍しくありません。

災害時の視覚障害者の支援

視覚障害がある人の基本的な支援方法は、以下のとおりです。

視覚障害者の支援1:支援の要否を確認する

視覚障害者に会った場合は、積極的に声をかけ、支援が必要かどうかを確認します。

障害があることが明らかな人でも、矯正器具で対応できる、家族や介助者がそばにいるなど支援を必要としない場合もあるので、勝手に支援を始めるのは控えます。

支援は必要ないという回答があった場合は、無理強いをせず、どうしても気になるなら、一緒に避難するなどして見守るようにしましょう。

視覚障害者の支援2:視覚障害の程度を確認する

まず、全盲か弱視かを確認し、弱視の場合は見え方を聞いておきます。

弱視の見え方は個人差が大きく、矯正器具を使用しても視力が低い、視野が狭い、中心部分だけが見えるもしくは見えない、少しの光でもまぶしく感じるといった症状があります。

視覚障害者の支援3:声掛けは、正面から、はっきりした口調で

視覚障害がある人に話しかける時は、正面から近づいて、はっきりした口調で話します。

後ろや横から話しかけると不安や驚きを感じやすく、はっきりしない口調だと聞き取りにくいことがあります。

視覚障害者の支援4:避難誘導は実況中継

視覚障害がある人を避難誘導する時は、支援する人の肩や腕につかまってもらい、支援する人が半歩ほど前を歩いて、周りの状況を確認しながら誘導します。

歩調がずれるとバランスを崩したり転倒したりする危険があるので、支援する人が視覚障害がある人の歩調に合わせます。

また、視覚障害がある人は、目から情報を受け取ることが困難なので、周囲の状況がとても気になるものです。

どこに向かっていて、どの経路を通るか、今どこにいて、周りはどうなっているのかなど、常に周囲の状況を実況することで、安心して避難することができます。

場所や動作を説明する時は、「ここ、そこ、あそこ」、「あと少し、もう少し」といった抽象的な言葉は使わず、できるだけ具体的に伝えることが大切です。

方向を伝える時は、時計の文字盤に見立てて方向を伝えるクロックポジションも効果を発揮します。

視覚障害者の支援5:避難所では孤立させない

視覚障害がある人は、視覚情報が少ないところを聴覚情報を得ることで補っています。

災害や被害の状況、安否情報、支援物資の配給情報といった大切な内容は、掲示板に張り出すだけでなく読み上げることで、視覚障害がある人にも伝えることができます。

弱視の人は、大きな文字や、コントラストがはっきりした色は近くできることがあるので、掲示板の表示方法を工夫することもできます。

公民館や体育館などだだっ広い空間では、自分の位置や目的の場所が確認しにくいので、トイレや出入り口に近い場所を確保することも検討しましょう。

災害時の障害者支援:聴覚障害者の支援

聴覚障害がある人は、耳から情報を受け取ることが困難で、言葉によるコミュニケーションも難しいことがあります。

聴覚障害は誤解されやすい障害

「聴覚障害=全く聞こえない」と思い込んでいる人がいますが、誤解です。

聴覚障害がある人は、耳が聞こえなくなった時期や聞こえ方によって、3つに分類されています。

  • ろう者:生まれつき、もしくは生まれた後の病気などが原因で、音声言語を習得する前に耳が聞こえなくなった人で、手話を学習している人が多い。
  • 中途失聴者:音声言語を習得した後に耳が聞こえなくなった人で、言葉を話せる人が多い。
  • 難聴者:聞こえにくいものの聴力が残っている人で、補聴器を使えば聞こえる人もいればほとんど聞こえない人もいる。

しかし、障害の有無や程度が外見からは分かりにくいので、適切な支援を行うには、相手の聞こえ方や能力、ニーズを確認する必要があります。

聴覚障害者が災害時に困ること

聴覚障害がある人は、テレビやラジオ、地域のスピーカーから出る災害や避難に関する情報を受け取ることが難しい、もしくは受け取るのが遅れます。

また、土砂崩れや津波・洪水などの音を感じることができない、もしくは感じるのが遅れるため、状況に応じて迅速な避難行動をとりにくい傾向が指摘されています。

さらに、周りの人と言葉を使ったコミュニケーションが十分にできず、情報や行動を共有しにくいこともあります。

災害時の聴覚障害者の支援

聴覚障害がある人の基本的な支援方法は、以下のとおりです。

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聴覚障害者の支援1:支援の要否を確認する

聴覚が不自由な人に会った場合は、積極的に声をかけ、支援が必要かどうかを確認します。

障害があることが明らかな人でも、補聴器を使用すればある程度は聞こえる、家族や介助者がそばにいるなど支援が必要ない場合もあるので、先回りして支援を始めないようにしましょう。

支援は必要ないと回答があった場合は、無理強いをしないでください。

聴覚障害者の支援2:聴覚障害の程度を確認する

まず、耳が聞こえにくいのか聞こえない(難聴)のかを確認します。

難聴の場合は、耳の聞こえ方と補聴器の有無も聞き取っておきましょう。

聴覚障碍者の支援3:コミュニケーションは複数の方法を組み合わせる

聴覚障害がある人とのコミュニケーションは、複数の方法を組み合わせるのが基本です。

聴覚に障害を抱えた時期や程度によって、音声言語、手話、身振り手振り、筆談など使用するコミュニケーション方法が異なるので、本人が平時から使っている方法を把握し、それを使ってコミュニケーションを図ります。

しかし、未経験の手話や身振り手振りで情報を適切に表現するのは困難なので、必要に応じて他の方法を組み合わせることが大切です。

手話でないとコミュニケーションが難しい場合は、手話通訳ができる人を探すことも検討してください。

聴覚障害者の支援4:避難誘導時はこまめに情報を伝える

聴覚障害がある人は、ラジオなどの情報が十分に得られず不安や心配を募らせやすいので、こまめに情報を伝えて共有しておくことが大切です。

特に、土砂崩れや河川の氾濫など、避難中に生じうる危険については、必ず伝えておきましょう。

視覚障害者の支援5:避難所生活でも情報伝達を心がける

避難所生活で入ってくる情報は、地域のスピーカー、ラジオ、テレビなど耳で受け取るものが多いため、必要な情報はこまめに伝えましょう。

特に、災害発生から間もない時期や、緊急の情報については音声で伝えられることが多いので、意識して聴覚障害がある人に情報を伝えてあげる必要があります。

伝え方としては、情報を箇条書きにしたり、図式化したりして可視化するのが効果的ですし、後から見返すこともできて便利です。

また、聴覚障害がある人の代わりに電話をかける場合も、事前に伝えたいことや聞きたいことを紙に書きだしておき、電話で話した内容も書きとめて見せるようにします。

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