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余震とは?本震との違いと余震情報が出た時の対応は?

余震

大地震が発生した後、ニュースで「引き続き余震に警戒し、今後の情報にご注意ください。」、「余震にも警戒して身の安全を確保してください。」などと報道されます。

しかし、「余震とは何か」、「警戒とは具体的に何をするか」については詳しく解説されないため、どのような地震が起こって何に備えるべきなのか分からず戸惑う人が少なくありません。

この記事では、余震とは何か、余震情報が出た場合の対応について解説します。

余震とは何か

余震とは、一連の地震活動のうち、本震に続いて本震の近接地域で発生する地震です。

前震、本震、余震とは

地震は、起こる時期によって前震、本震、余震の3つに分類されます。

  • 前震:本震の前に起こる地震
  • 本震、一連の地震活動で最大規模の地震

地震発生直後は、緊急地震速報で地震発生時刻、震源の推定値・震央地名、震度5弱以上が予想される地域、震度4が予想される地域名が発表されますが、前震、本震、余震の分類は知らされません。

これは、一連の地震の終息後に、最大規模の地震を本震、本震前の地震を前震、本震後の地震を余震と後付けで区別するためです。

本震と余震だけの地震活動を本震ー余震型といい、前震、本震、余震が発生した地震活動を前震ー本震ー余震型といいます。

また、前震、本震、余震が明確に区別できず、特定の地域に集中的かつ多数発生する地震群は群発地震と呼ばれます。

余震の規模

大規模地震のうち、震源が浅い地震の多くは余震を伴います。

通常は、余震のマグニチュードは本震よりも1程度小さくなりますが、本震と同規模の余震が発生することもあり、本震ですでに甚大な被害が出た地域に追い打ちをかけることがあります。

最大規模の余震を最大余震、余震が分布する領域を余震域といいます。

MEMO

マグニチュード:地震そのものの規模(地震の強さ)

余震の回数

余震の回数は本震直後に多く、時間の経過に伴ってある程度規則的に減少していきます。

具体的な余震の回数は、数十回程度から1000回を超えるものまであり、東日本大震災では1万回以上の余震が発生しました。

余震はいつまで続くか

余震が続く期間は、数日から数ヶ月、数年と様々です。

極めて小規模の余震が本震から100年以上も続くことがあります。

余震と誘発地震の違い

余震は、本震に続いて「本震の近接地域で発生する」地震ですが、本震後に異なる地域で大地震や地殻変動が発生することがあります。

本震の振動が伝わったり地盤の歪みが変化したりすることで発生する余効変動や誘発地震と呼ばれ、余震とは区別されます。

MEMO
  • 余効変動:地震後に観測される地殻変動(大地震後、徐々に地殻変動の速度を減少させる遷移的な変動など)
  • 誘発地震:大地震に誘発されて震源域から離れた場所で発生する地震

余震を警戒する理由といつまで警戒するか

本震より規模が小さい余震ですが、なぜ警戒する必要があり、また、いつまで警戒すべきなのでしょうか。

余震に警戒する必要がある理由

余震は、基本的には本震より規模が小さいですが、本震と同程度の地震が発生することがあります。

また、大地震発生後は、建物が倒壊したり地盤が緩んで土砂災害が起こりやすくなったりしているため、余震発生により通常よりも大きな被害が出てしまう恐れがあります。

したがって、本震が終わったとしても安心せず、引き続き余震に警戒することが防災上は重要な意味を持つのです。

余震をいつまで警戒するか

原則として、余震の回数は本震から時間が経過するにつれて減少しますが、本震から1週間程度(特に2~3日後まで)は、大きな余震が発生することがあります。

したがって、少なくとも本震から1週間程度は余震を警戒しなければなりません。

ただし、1週間程度で警戒を止めて良いわけではなく、余震情報などを確認して慎重に対応する必要があります。

余震に備える方法

では、本震発生後の余震に備える具体的な方法について、解説していきます。

まずは、本震による周辺環境の変化を確認し、当面の安全が確認できたら余震に備えます。

つまり、命の危険がないことを確認した上で、余震による被害を最小限に抑える準備を始めるのです。

自宅の被害を確認する

自宅で被災した場合、自宅の被害状況を確認する必要があります。

自力で確認しておきたい項目は、以下のとおりです。

  • 自宅(外観)が傾いていないか
  • 自宅(室内)が傾いていないか
  • 自宅の壁や基礎に亀裂がないか
  • 窓やドアが割れたりズレたりしていないか
  • 屋根瓦やソーラーパネルが落下していないか
  • 電気・ガス・水道が使用できるか
  • 雨漏りしていないか

いずれも目視で確認して問題がある場合は、近くの避難場所(指定避難所)への避難を検討してください。

特に、自宅が旧耐震基準に基づいて建築された(1981年6月1日以前に建築確認申請を受けた)場合、余震で倒壊したり甚大な被害を受けたりするリスクが高いため、少なくとも本震から1週間程度(余震が多い期間)は避難しておくのが安心です。

なお、屋根上の被害を確認する場合は、余震に警戒しながら、命綱など高所作業に必要な道具を揃えて複数人で行ってください。

また、避難時には盗難被害を防止するため、自宅に鍵をかけるなどして盗難対策を講じておかなければなりません。

室内の安全対策を施す

本震後も自宅が住み続けられる状態であれば、余震に備えて室内の安全対策を施します。

  • 戸棚の食器や本棚の本を下段に降ろす
  • 転倒したり滑ったりする家具は固定する
  • 窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る(購入できない場合はカーテンを引くかブラインドを下ろしておく)
  • 初期消火の準備

自宅での過ごし方に留意する

自宅にいる時間帯は過ごし方にも留意する必要があります。

  • 蛍光灯の真下で寝ない
  • 転倒したり滑ったりする家具の傍に寄らない
  • 窓ガラスの傍に寄らない
  • 非常用持ち出し袋を傍に置いておく
  • 家中のドアを開けておく

余震情報をこまめに確認する

大地震発生時は、緊急地震速報などの正確な情報を迅速かつ適切に入手し、冷静に判断して行動することが何より重要ですが、余震に備える場合も情報収集は欠かせません。

各種防災アプリ、テレビやラジオ、気象庁の「各地の震度に関する情報」、NHKの「あなたの天気・防災」、SNSなどを確認し、余震情報の正確な把握に努めてください。

気象庁は、以下のような情報を発表しています。

  • 地震発生直後:過去のケースや地域の特性に基づいた今後の見通し(本震と同程度の余震への注意を呼びかけ)
  • 本震から1週間程度経過後:余震への注意喚起+余震確率に基づく数値的見通し
  • その他:周辺地域の活断層などに関する留意事項
 

これらの呼びかけは、最大震度5弱以上の地震が発生するなど防災上必要と判断された場合に、記者会見や気象庁ホームページなどで発表され、新聞やテレビ、ラジオ、インターネットなどで報道されます。

デマに注意

残念なことですが、大地震発生後は多くのデマが流れます。

特に、「〇月〇日〇〇時〇〇分に地震が発生する」、「余震は何前回も続く」など読み手の目を引きやすく、また、不安をあおるようなデマがTwitterなどで数多く拡散されてしまいます。

そのため、SNSなどで得た情報については、情報の発信元を確認するとともに、必ず公的機関の情報と照らし合わせて信ぴょう性を吟味することが重要です。

デマについては、別の記事で詳しく解説しています。

フェイクニュースとは?災害時のデマ、偽情報、誤情報の見抜き方は?

避難場所と避難経路の確認

本震と同程度の余震が起こると、火災、土砂災害、津波、建物の倒壊などが発生し、避難を余儀なくされる状況になるおそれがあります。

そのため、本震が過ぎても安心せず、二次災害が発生した場合の避難場所(指定避難所ではなく指定緊急避難場所)と避難経路を確認することが大切です。

避難場所や避難経路の確認は必ず家族全員で共有し、家族がバラバラの場所で余震に巻き込まれた場合に備えてください。

MEMO

避難場所には2種類ある

  • 指定避難所:避難生活を送るための場所
  • 指定緊急避難場所:災害から命を守るために逃げ込む場所(広域避難場所、津波避難タワーなど)

防災グッズセットの確認

避難の準備として、防災グッズの確認と手元に備え置くことも重要です。

防災ノートでは、4種類の防災グッズを準備することを勧めていますが、まず準備したいのは避難時に持ち出す「緊急時用グッズ」と「非常用持ち出し袋」です。

  • 緊急時用グッズ
  • 非常用持ち出し袋
  • 備蓄品(被災後3日間用)
  • 備蓄品(大規模災害用)

避難後に避難生活を開始する見込みの場合は、備蓄品についても持ち出しやすい場所に移動させておきましょう。

防災グッズについて確認しておきたいのは、以下の項目です。

  • 自分や家族に必要な防災グッズが揃っているか 
  • 防災グッズは使える状態か
  • 自分や家族が持ち運べる重さか 

自分や家族に必要な防災グッズが揃っているか

緊急時用グッズと非常用持ち出し袋に入れておきたい防災グッズは、以下のとおりです。

【緊急時用グッズ】

  • 懐中電灯(スマホ)
  • 手袋
  • 折り畳み式スリッパ
  • ホイッスル
  • 救急セット
  • メガネ、常用薬など
  • 携帯用ポーチ

【非常用持ち出し袋】

  • 水・非常食
  • ヘルメット
  • 雨具
  • 手袋
  • マスク
  • ヘッドライト
  • ハザードマップ・周辺地図
  • スマホ・モバイルバッテリー・充電器・充電池・携帯ラジオ
  • 救急セット
  • レジ袋(ビニール袋)
  • 下着
  • 携帯式トイレ
  • 身分証明書、緊急連絡先、貴重品
  • 緊急時用ポーチ
  • リュックサック

防災グッズは使える状態か

防災グッズが揃っていても、使えない状態では持ち出す意味がないため、以下の事項を確認しておく必要があります。

  • 各防災グッズの故障の有無を確認(ライトやラジオなど)
  • 各防災グッズの使用期限(乾電池、救急セット、非常食、水、赤ちゃん用品、介護用品など)
  • 身分証明書や健康保険証のコピーが最新か否かを確認

自分や家族が持ち運べる重さか

非常用持ち出し袋の重さは、家族の年齢や性別、健康状態などを考慮して、無理なく持ち出せる重さに調節してください。

男性が一人で防災セットを作った場合、女性や高齢者にとっては重すぎることがあります。

防災セットを持ち出す人が事前に持ってみて、重いようなら中身を調節しなければなりません。

防災グッズの中身については、別の記事で詳しく解説しています。

防災グッズのおすすめリスト一覧!100均や手作りセットはあり?

 
 

【参考】